馬産地ニュース

ゴールドシップ産駒の公開調教が行われる

  • 2019年02月13日
  • マイネルコロンブスとの馬名が付けられた、トウホクビジンの2017(牡)
    マイネルコロンブスとの馬名が付けられた、トウホクビジンの2017(牡)
  • スペースシップとの馬名が付けられた、ジャズプリンセスの2017(牡)
    スペースシップとの馬名が付けられた、ジャズプリンセスの2017(牡)
  • 登録馬名コスモジェミラこと、シーギリヤガールの2017(牝)は、仕掛けられた時の反応の良さで、一気に併せ馬をした古馬を交わしていく
    登録馬名コスモジェミラこと、シーギリヤガールの2017(牝)は、仕掛けられた時の反応の良さで、一気に併せ馬をした古馬を交わしていく
  • イクスキューズ2017(牝)は母がクイーンC(Jpn3)優勝という良血馬
    イクスキューズ2017(牝)は母がクイーンC(Jpn3)優勝という良血馬
  • ゴールドシップの今シーズンの種付料は、受胎条件の250万円
    ゴールドシップの今シーズンの種付料は、受胎条件の250万円
  • 公開調教の最後には、岡田繁幸氏から産駒の特徴が語られていた
    公開調教の最後には、岡田繁幸氏から産駒の特徴が語られていた

 12日に種牡馬展示会が行われた新冠町のビッグレッドファームで、同スタリオンで繋養される、ゴールドシップ(牡10)産駒の公開調教が行われた。

 育成施設だけでなく生産、イヤリングを備えた総合牧場であるビッグレッドファームでは、種牡馬展示会に合わせる形で、初年度産駒がデビューを迎える初年度産駒の公開調教を行ってきた。

 ゴールドシップは2009年の3月6日に日高町の出口牧場で誕生。2歳時にメイクデビュー函館とコスモス賞を勝利し、続く札幌2歳S(G3)、ラジオNIKKEI杯2歳S(G3)でも2着入着を果たす。3歳時の共同通信杯(G3)で重賞初制覇を果たすと、続く牡馬クラシック1冠目となる皐月賞(G1)も優勝。日本ダービー(G1)は5着に敗れたものの、秋には神戸新聞杯(G2)を制して臨んだ菊花賞(G1)を勝利。暮れの大一番である有馬記念(G1)では初対戦となる古馬を差し置いて1番人気を集めると、見事、その期待に応えるような勝利をあげる。この年は6戦5勝(G1 3勝)という成績を残し、最優秀3歳牡馬にも選出されている。

 古馬となってからも史上初となる連覇を果たした宝塚記念(G1)(2013年、2014年)、史上9頭目の同一重賞3連覇となった阪神大賞典(G2)(2013年、2014年、2015年)など、古馬のG1戦線で主役を務めていっただけでなく、2014年には凱旋門賞(G1)にも出走(14着)。2015年には2年連続で敗れてきた天皇賞(春)(G1)を3度目の正直で勝利して、G1 6勝目をあげた。2015年の有馬記念(G1)を最後に引退。通算成績は28戦13勝(うち、海外1戦0勝)となっている。

 

 2016年シーズンから種牡馬生活を送りはじめたゴールドシップは、その年に109頭の繁殖牝馬を集め、2017年に79頭の産駒が誕生。その年にビッグレッドファームで行われた種牡馬展示会では、産まれて間もないゴールドシップ産駒のお披露目も行われた。

 この公開調教には、種牡馬展示会に先駆けてマイネルコロンブス(牡、母トウホクビジン)、スペースシップ(牡、母ジャズプリンセス)の牡馬2頭が展示。コスモジェミラ(牝、母シーギリヤガール)、イクスキューズの2017(牝)と2頭の牝馬と共に、全長1100mの屋根付き坂路コースを、古馬との2頭併せで駆け上がっていった。

 例年におけるこの時期の2歳馬の追い切り水準タイムは、4ハロンで54秒台から56秒台となっているが、昨年はコスモス賞を優勝し、札幌2歳S(G3)2着のナイママがこの時期に52秒台の時計をマーク。その能力の片鱗を時計でも証明することとなった。

 一鞍目に登場したマイネルコロンブスは、坂路の頂上を前に一気に末脚を伸ばし、4ハロン51秒8という好時計をマーク。その後に続いたコスモジェミラ、イクスキューズの2017といった牝馬2頭も52秒台の時計を出していく。最後に登場したスペースシップは2ハロン22秒4、3ハロン37秒7という速い時計を出していきながら、4ハロンも51秒9の時計でまとめあげてきた。

 この仕上がりの早さと、スピード能力の高さに、公開調教を見に来た生産関係者からは驚きの声も上がっていた。最後にマイクを持ったビッグレッドファームグループ代表の岡田繁幸氏が、「今の時期にこの坂路で51秒台で上がってくる2歳馬はそうはいません。ゴールドシップの産駒たちにはゴムのような力強い筋肉が遺伝されています。非常に期待をしていますし、配合の検討をよろしくお願いします」と話すと、詰めかけた生産界関係者の中からは拍手も起こっていた。ゴールドシップ初年度産駒は78頭が血統登録。また、ゴールドシップ自身も2018年も110頭、2019年には93頭の繁殖牝馬に配合を行っている。種付料は受胎条件の250万円となっている。