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道営記念はスーパーステションが6馬身差の圧勝

  • 2018年11月20日
  • 後続を突き放すスーパーステション
    後続を突き放すスーパーステション
  • グランプリに相応しい白熱のレースとなった
    グランプリに相応しい白熱のレースとなった
  • 今季負けなし、絶対王者のスーパーステション
    今季負けなし、絶対王者のスーパーステション
  • 笑顔が弾ける口取り写真
    笑顔が弾ける口取り写真
  • ブロッサムCに続き角川厩舎×グランド牧場で締めくくった
    ブロッサムCに続き角川厩舎×グランド牧場で締めくくった

 16開催76日間に及んだ2018年ホッカイドウ競馬の最後を飾るのは第61回道営記念【スクリーンヒーロー賞】。11月15日、1,500人を超えるファンを集めた門別競馬場で行われた。

 ファン投票1位のエスシーレオーネ、3位のハッピースプリント、4位スーパーステション、5位センコーファーストなどの上位人気馬が出走表明。2位のオヤコダカが回避したのは残念だったが、4歳から7歳までの精鋭11頭が顔を揃えた。

 断然の1番人気に推されたのは今季全勝フィニッシュを目指すスーパーステションで1.3倍。2番人気はこのレースに照準を合わせ、南関東から戻ってきたタービランスで5.7倍。3番人気もまた、デビューの地で再起を誓うハッピースプリントで8.7倍だった。

 富川高校吹奏楽部によるファンファーレで今季ラストレースはスタート。お互いに牽制し合いながら、あの馬の動向を注視していた。そしてゆっくりと先頭に立ったのは、皆の標的スーパーステション。待っていたスカイロックゲートが馬体を併せ、スーパーステションにプレッシャーをかける。直後にセンコーファースト、ドラゴンエアル、タービランスが続き、虎視眈々と先頭を見据えていた。3コーナーでスカイロックゲートが失速すると、変わってドラゴンエアルが手綱をしごいて併走を仕掛けるも、持ったままのスーパーステションに並びかけることができない。最後の直線、満を持して追い出しを開始したタービランスとハッピースプリントだったが、ムチ一発で更に加速したスーパーステションの影をも踏ませぬ逃走劇を前に2着争いが精一杯。絶対王者となったスーパーステションの2018年は、6馬身差の圧勝で完結した。勝ち時計2:05:3(曇・稍重)2着にタービランス、3/4馬身差の3着はドラゴンエアル、ハッピースプリントはそこから更に1馬身差の4着に敗れた。

 スーパーステションと共に古馬中距離重賞全制覇という偉業を達成した阿部龍騎手は、道営記念初勝利「ゲートが開いたらいつも通りで、もっと絡まれるかと思いましたが、馬自身はいいリズムで走れてストレスもなかったと思います。とにかく自分の走りをするだけ、それだけを考えて乗っていました。最後の直線では迫ってくる馬の脚音も聞こえなかったし、馬と自分だけのとても静かな時間でした」と振り返り「道営記念を勝てたので、胸を張れます」と感極まり涙するシーンも見られた。

 スーパーステションは、父カネヒキリ、母ワイルドイマージュ、その父ワイルドラッシュという血統の4歳牡馬。新ひだか町静内にあるグランド牧場のオーナーブリーディングホース。今季はコスモバルク記念から重賞6連勝で重賞勝利は通算8勝目を数えた。次々と襲ってくる刺客を打ち破っての堂々としたレース内容は今季の集大成に相応しい勝利となり、今後は大井の東京大賞典(G1)か名古屋の名古屋グランプリ(Jpn2)で中央交流重賞勝利を目指す。