道営スプリントはラブバレットが重賞13勝目
ホッカイドウ競馬短距離路線の最高峰、東京スポーツ杯第13回道営スプリント(H2)【ビッグアーサー賞】が10月4日、ダート1200mで争われた。
今年は他地区・岩手からラブバレットを迎え、4歳~10歳の14頭がエントリー。断然の1番人気は、岩手の雄、ラブバレットで1.4倍。門別遠征は2度目となるが、遠征経験豊富な同馬、盤石の強さは揺るぎそうもない。4.2倍の2番人気はサトノプリンシパル、10.6倍の3番人気にメイショウアイアンと、JRAで活躍していた8歳馬2頭の実績に期待が集まった。
スタート良く飛び出したサトノプリンシパルが押してハナを奪い、ナリユキマカセ、タイセイバンデット、カツゲキライデンらが激しい先頭争いを展開。3コーナーでサトノプリンシパルとナリユキマカセが抜けたかと思われたが、コーナーワークで外に進路を取り、追い上げるラブバレットの姿があった。残り200mで体制はガラリと変わり、内からアップトゥユー、外からラブバレット、連れてメイショウアイアンが2頭を飲み込むと、ラブバレットが人気に応え1着でゴールを果たした。勝ち時計は1:13:1(晴・稍重)クビ差の2着にメイショウアイアン、3/4馬身差の3着は8番人気のセクシーボーイが入り、やや波乱の結果となった。
ラブバレット4歳時から主戦を務めている山本聡哉騎手は「自分自身、門別では初めての重賞勝利なので嬉しいです。地震の影響でレース日程は1週間伸びましたが、夏バテ気味で体調を崩していたラブバレットには十分な回復期間になって良い状態に戻ってくれました。あまり砂を被ったことがない馬なので、道中の手応えは怪しかったですが、直線を向いたら伸びてくれて、これなら大丈夫と安心して乗れました」と振り返った。
管理する菅原勲調教師は、ベンテンコゾウで戴冠した昨年の北海優駿以来、1年振りのホッカイドウ競馬重賞勝利となった。「このレースを目標にしていたので、勝てて嬉しいです。スタートは若干躓き気味になり、この馬らしくない状況でしたので多少は焦りましたが、直線に入ってからはこの馬の力が出し切れたのでホッとしました」と安堵の表情。次走はJBCスプリント(Jpn1)を予定しており「中央競馬の馬たちともこれまで十分対戦経験がありますし、今日は次回に繋がる良いレースができました。次も期待しています」と気合を入れ直した。
ラブバレットは、父ノボジャック、母リバイバルガール、その父バブルガムフェローという血統の7歳牡馬。生産は浦河町の津島優治さん。ラブバレットは地方重賞13勝目となるが、津島さんが現地で観戦できたのは初めて。「岩手へ応援に行くのはなかなか難しいけど、門別競馬場なら行けると思って楽しみにしていました。初めて口取りに参加できて嬉しい」と満面の笑みを浮かべていた。