北海優駿は伏兵のカツゲキジャパンが優勝
6月20日、門別競馬場ではダービーウィーク最終戦となるSTV杯第46回北海優駿(H1)【イスラボニータ賞】がダート2000mで行われた。
名古屋競馬からスギノハヤブサを迎え、牡馬11頭・牝馬3頭のフルゲート14頭。1.2倍という断然の1番人気に推されたのは、北斗盃を制し、二冠目を狙うサザンヴィグラス。離れた2番人気は10.1倍。JRAから名古屋へ移籍後二連勝、地元ダービーには間に合わなかったが、ここに照準を合わせ遠征してきたゴールドアリュール産駒のスギノハヤブサ。3番人気は今季からホッカイドウ競馬に移籍し、移籍後2戦目となるオウケンブルースリ産駒のドラゴンハートで11.1倍だった。
強風の吹く中、レースは4コーナーポケット地点からスタート。向かい風を受けながらサウスヴィグラス産駒のニッポンダエモン先手を取り、アッミラーレ産駒のエアーシャンクス、ヴァーミリアン産駒の牝馬、クロスウィンドがつづき、その直後にサザンヴィグラスという体制で1コーナーを周っていく。有力馬が前に固まり牽制し合う縦長の展開となったが、向こう正面で体制は崩れ、内でじっとしていたクロスウィンドが進出を開始した。サザンヴィグラスも一緒に追い出しを始め、この2頭の一騎打ちかと思われた次の瞬間、最内から1頭違う脚で追い込んでくる馬が現れた。直線に入るとサザンヴィグラスが脱落。8番人気のカツゲキジャパンと9番人気クロスウィンドの一騎打ちとなり、カツゲキジャパンがクビ差クロスウィンドを凌ぎきって46代目の北海優駿馬に輝いた。勝ち時計は2:14:7(曇・良)2着にクロスウィンド、4馬身差の3着は7番人気のストロングキックが入り、サザンヴィグラスは7着という波乱の結果となった。
2016年のスティールキングにつづき2度目の北海優駿制覇となった桑村真明騎手は「自分的には久しぶりの重賞勝利となるので、感謝しかありません。道中は折り合いもついて、ロスなくレースを運べたことが勝因かなと思います。向かい風に怯む馬も多い中、最後まで頑張ってくれました」とホッとした表情を浮かべていた。
管理する廣森久雄調教師は2005年のフリートアピール、2007年のブルータブーにつづき3度目の戴冠。「人気はなかったし、どれだけ頑張れるか楽しみにしていました。今までも勝ちきれなかったけど内容は良いレースをしてくれてましたからね。掲示板くらいはあるかな~と期待して見ていましたよ。そつなく流れに乗って、3~4コーナーでインから伸びてきた時は直線が長く感じました。ジョッキーが上手く乗ってくれましたね。毎回一生懸命走る馬で、それが実った結果だと思っています。まだ力を付けている途中ですし、先々は楽しみにしていたけど、ここがゴールではないからね。段階を踏みながらレースを選択していきたいです」と慎重に次走を選択していくようだ。
カツゲキジャパンは父アドマイヤジャパン、母アメリカンハット、母の父ホスピタリテイという血統の3歳牡馬。生産は新ひだか町静内の朝野勝洋牧場で、半兄に北海道スプリントC(Jpn3)5着のカツゲキライデンがいる。