サドンストームがクラックステーブルにスタッドイン
1月21日のカーバンクルSを最後に現役を引退したサドンストーム(牡8歳)の来年度からの種牡馬入りが正式に決定し、10月18日、繋養先となる新冠町のクラックステーブルにスタッドインした。
サドンストームは2009年、日高町のダーレー・ジャパン・ファームにて父ストーミングホーム、母ビールジャントの6番仔として誕生。シェイク・モハメド殿下の勝負服で2歳夏のデビューから一貫して短距離路線を舞台に走り続け、重賞タイトルこそあと一歩の所で逃したが、京王杯2歳S(G2)、京阪杯(G3)、シルクロードS(G3)はいずれも2着。鋭い末脚を武器として通算44戦4勝、約2億円の賞金を獲得した。今年の5月に中央競馬の登録を抹消し、引退後の去就が注目されていたが、半兄に香港スプリント(G1)などG1競走を3勝した香港を代表する名スプリンターのラッキーナイン、全弟のティーハーフは函館スプリントS(G3)優勝という血統背景を買われ、今回種牡馬入りの運びとなった。
サドンストームの種牡馬入りに際し、新たに同馬を所有することになったのは熊本県に本拠を構える(株)ストームファームコーポレーション。現在は本馬の他にゴールスキー、ロードバリオス、ダノンゴーゴーを種牡馬として繋養。近年では北海道日高町に分場を開場し、良血繁殖牝馬の導入や北海道での種付けを積極的に行うなど、九州の馬産をリードする牧場として知られている。
代表の村山光弘社長に今回サドンストームを導入した経緯を伺うと「引退直後にダーレーさんから種牡馬としてのオファーを頂きました。JBBA九州種馬場で繋養されているスクワートルスクワートの産駒が九州産馬限定戦で大活躍しているように、兄に海外を代表する名スプリンターのラッキーナインを持つサドンストームは九州の馬産にピッタリの種牡馬と考え、迷わず導入を決断しました。今年レックススタッドで種牡馬入りしたゴールスキーと同じく、まずは北海道で繋養することで少しでも種付けの機会を増やしていって欲しいという思いもあり、本馬に関してはクラックステーブルさんにお願いすることにしたんですよ」と同馬に対する熱い期待を寄せていた。
サドンストームを繋養するクラックステーブルの村上進治代表は同馬について「先月、父のストーミングホームが当牧場に移動してきて、今は親子で隣り合わせの馬房で過ごしています。父同様に素晴らしい血統背景を持ち合わせていますし、サドンストームには父以上に短距離のスペシャリストとしての資質を感じさせます。また、ほとんどの繁殖牝馬との配合が可能な血統構成もとても魅力的ですので、ぜひ配合候補の1頭として検討していただけたらと思っています」と積極的な種付けの申込みを呼びかけていた。
なお、2018年度の種付料は近日発表予定だが「1頭でも競馬場に送り出す産駒を増やしていけたらと考えているので、なるべくリーズナブルな価格設定にしようと考えています(村山社長)」とのことだそうだ。