馬産地ニュース

リリーCはストロングハートが接戦を制し重賞初制覇

  • 2017年09月11日
  • 直線で先頭に立ったストロングハート
    直線で先頭に立ったストロングハート
  • グラヴィオーラの猛追を凌ぎきりゴールに飛び込んだ
    グラヴィオーラの猛追を凌ぎきりゴールに飛び込んだ
  • キャリア3戦で重賞勝ち馬に輝いた
    キャリア3戦で重賞勝ち馬に輝いた
  • 喜びの口取り写真
    喜びの口取り写真
  • プレゼンターを務めた細江純子さんも記念撮影に収まった
    プレゼンターを務めた細江純子さんも記念撮影に収まった

 8月31日、門別競馬場では2歳牝馬による重賞、HTB杯第14回リリーカップ(H3)【ラブリーデイ賞】がダート1200mで争われた。

   10月12日に施行される交流重賞、エーデルワイス賞(Jpn3)に向けての前哨戦。優先出走権を得るため、13頭の2歳牝馬たちがエントリーした。1番人気は、カネヒキリ産駒のコスモウーノ。デビュー戦を8馬身差の圧勝で飾り、続くブリーダーズゴールドジュニアCに牝馬唯一の出走で4着と、牝馬相手なら負けられない一戦。2番人気はサウスヴィグラス産駒のグラヴィオーラ。フルールCは1番人気の3着だったが、距離延長で巻き返しを図る。3番人気もサウスヴィグラス産駒で、フルールCの2着馬マサノスマイル、4番人気もサウスヴィグラス産駒のストロングハートと、安定感抜群の産駒たちが人気を集めた。

 レースは向う正面ポケット地点からスタート、飛び出した大外ミスビセンチが先手を奪い、ストロングハート、マサノスマイル、コスモウーノといった人気馬が直後に付ける。直線を向いてミスビセンチが脱落すると、変わってストロングハートが先頭に。外からメンバー中最速の脚でグラヴィオーラが懸命に追い、2頭のマッチレースとなったがわずかに及ばず、ストロングハートが重賞初勝利。勝ち時計は1:13:6(晴・稍重)3/4馬身差の2着にグラヴィオーラ、そこから5馬身差の3着は5番人気のリコーデリンジャーが入り、1番人気のコスモウーノは4着という結果だった。

 当日の7レースで地方・中央通算400勝を達成した阿部龍騎手は、今季のリーディング2位と絶好調。自厩舎のストロングハートはデビュー戦からずっと手綱を取っていることもあり、表彰式でのインタビューでは開口一番「めっちゃ嬉しいです」と喜びを爆発させた。「まだ気性が幼く、入れ込むところもあるので、とにかく落ち着かせることを考えていました。今日はスタートからスムーズに運べ、自らしっかりハミを取ってくれましたし、頼もしかったですね。後ろから馬が来た時もさらに伸びてくれましたし、名前通り強い心の持ち主です」とパートナーを讃えた。

 管理する角川秀樹調教師は同レース8勝目。「ゲンのいいレースですし、馬も成長していたから期待はしていました。前走フルールCでは外枠でロスがありながらも差のない4着でしたから、向う正面でスムーズに2番手に付けた時点で勝ちを意識しましたね。この状態なら目標であるエーデルワイス賞(Jpn3)でもチャンスがあると思います」と振り返った。

 ストロングハートは父サウスヴィグラス、母ファーストレディ、母の父スマートボーイという血統の2歳牝馬。新ひだか町静内に位置するグランド牧場のオーナーブリーディングホースで、近親にラブミーチャンがいる。ひとつ上の全姉アップトゥユーもホッカイドウ競馬所属時代は角川厩舎に所属し、エーデルワイス賞(Jpn3)2着、川崎のローレル賞を優勝するなど活躍馬を送り出しているファミリーだ。