ノーザンホースパークで第5回内国産乗用馬市場
6月13、14日、内国産乗用馬市場実行委員会(広瀬春行委員長)、苫小牧市美沢にあるノーザンホースパーク(吉田勝己代表取締役)において、第5回内国産乗用馬市場inノーザンホースパークを開催した。
この市場は日本国内で生産された乗用馬や、競走馬を引退し乗用馬として転用された馬の流通の拡大を目的とした初の民間団体によるオークション。公益社団法人日本馬術連盟、公益社団法人日本馬事協会、公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会、東北軽種馬協会青森県軽種馬生産農業協同組合が後援。ノーザンファーム、ダーレー・ジャパンなどの牧場や乗馬倶楽部、乗馬用品取り扱い商社、飼料会社や、競走馬のセカンドキャリアに理解を示す、ダノックス、大樹レーシングクラブといった馬主、クリストフ・ルメール騎手、池江泰寿厩舎、音無秀孝厩舎、安田隆行厩舎などのJRA関係者も協賛している。2013年から開催されており、回を重ねるごとに売却率は上昇している。
市場は13日に上場馬の騎乗展示と試乗会、14日にオークションというスケジュールで開催。オークション開始にあたり広瀬春行委員長は「昨日は出品馬の試乗会を行いまして、障害飛越や馬場運動と供覧を見ていただきました。年々、馬の品質も上がっていますので、どうか今回も大いに盛り上げていただきたいと思います」と開会宣言。続いて、2013年の第1回市場において取引されたジェネラス号(競走馬名ニューフロンティア、父クロフネ、母サファイヤコースト)で、昨年10月にJRA馬事公苑で行われた第62回東京馬術大会のインターメディエイトIにおいて優勝した、乗馬クラブクレイン取締役の瀬理町芳隆さんに対し、「内国産乗用馬の調教に意欲的に取り組んできた努力の賜物です」と特別表彰。さらに第1回市場から会場を提供するノーザンホースパークの吉田勝己代表取締役にJRA年度代表馬を受賞したモーリスの肖像画を贈り、感謝の意を表した。
オークションはセレクトセールと同じノーザンホースパークのインドアで行われた。今年は55頭が出品。購買登録者数は約70名を数えた。会場には乗馬愛好家や乗用馬生産者、軽種馬関係者などが集い、熱気に包まれた。
出品馬は、馬場馬、練習馬、ポニー、110cm、100cm、80cmとクラスに分けて登場。馬場馬クラスにはクリストフ・ルメール騎手が協賛するなど、すべてのクラスにスポンサーがつき、落札者にはスポンサーから記念品が贈られた。
最高価格は練習馬クラスに出品された日本乗系種のピース号で260万円(税抜き)。この価格はこの乗用馬市場における過去最高価格落札になった。出品したのは平取町にある坂東牧場。愛馬のオークションを見守っていた坂東正績さんは「子供が大きくなって乗らなくなったので出品しました。まさかこんなに上がるとは」と驚きを隠せないでいた。
ほかにもオルフェーヴルやノヴェリストを父に持つ日本乗系種、昨年4月までJRAで走り32戦3勝の成績を残したオオタニジムチョウなどもオークションにかけられた。
売却総額は3,800万円(税抜き)を記録し売却率は80%超えを達成。昨年を上回る好成績に広瀬春行委員長は「内国産馬でも質の良い馬を揃えれば高く評価されることが証明できましたので、これからこの市場をもっと発展させていきたいですね」と振り返った。