ウインバリアシオンの初仔が誕生
2月20日深夜、青森県南部町の佐々木牧場にてウインバリアシオン(牡9)産駒第1号となる牡馬(母ヨンハ、母の父ヨハネスブルグ)が誕生した。また、翌21日には東北町のユーコー牧場で牡馬(母ゴーオンマイウェイ、母の父ジョリーズヘイローが、22日早朝には同町の荒谷牧場で牝馬(母ジュエルシャネル、母の父アグネスワールド)が産まれ、県内はウインバリアシオン産駒の相次ぐ誕生ラッシュに盛り上がりを見せている。
記念すべき初産駒を誕生させた佐々木牧場は2008年のフィリーズレビュー、ローズステークス(いずれもJpn2)を制したマイネレーツェルを生産した牧場としても知られている。取材に対応していただいた同牧場の佐々木秀一さんによると「初仔で予定日よりも1週間ほど早く産まれたのですが、脚の長い立派な男の子に出てくれてホッとしています。母父はヨハネスブルグなのですが、この子はお父さん似でウインバリアシオン、その父のハーツクライの影響を強く受け継いでいるように見えます。当牧場ではあと2頭ウインバリアシオン産駒が誕生予定ですが、これだけ仔出しが良いとなると今後産まれてくる子たちも非常に楽しみです」と満面の笑みを浮かべていた。
ウインバリアシオンは2011年のクラシック戦線で3冠馬オルフェーヴルと激戦を繰り広げ、日本ダービー(G1)では同馬の2着に敗れたものの3着以下には7馬身もの差を付けるパフォーマンスを披露し、続く秋の菊花賞(G1)でも上り最速の脚を繰り出して2着に好走。G1タイトルこそあと一歩の所で手が届かなかったが、世代トップクラスの実力と抜群の人気で多くのファンに愛され、2015年の天皇賞(春)(G1)のレース中に故障を発症して惜しまれつつ引退するまでの通算23戦4勝、約6億円の賞金を獲得し、ハーツクライの数少ない後継種牡馬として青森県の荒谷牧場で種牡馬入りを果たし(所有はスプリングファーム)初年度となる昨年は35頭の繁殖牝馬に種付けを行った。
同馬を所有するスプリングファームの佐々木拓也代表に誕生した産駒の特徴を尋ねると「これまで3頭の産駒が誕生しましたが、いずれも脚長で皮膚が薄く、品のある馬体は祖父ハーツクライを彷彿とさせます。まだ産まれて1週間も経っていませんが、これだけタイプが似たように出るということ自体がバリの遺伝力の強さなのではないでしょうか。想像していた以上に産駒のデキが良いので嬉しい限りです。今後も続々と県内で産駒が誕生予定ですし、来年の八戸市場をウインバリアシオン産駒で盛り上げることができればと思っています。今シーズンはすでに北海道からの種付け予約もいただいてますし、昨年並みの頭数を付けることができたらいいですね」と喜びの声と今後への抱負を語っていた。
なお今シーズンのウインバリアシオンの種付料は前年と同様30万円(種付時支払)、50万円(受胎条件)、70万円(生後条件)の3通りとなっている。