馬産地ニュース

ビッグレッドファームで種牡馬展示会が開催

  • 2017年02月15日
  • マンハッタンカフェの後継種牡馬として注目を集めるジョーカプチーノ
    マンハッタンカフェの後継種牡馬として注目を集めるジョーカプチーノ
  • NAR年度代表馬ソルテの父タイムパラドックス
    NAR年度代表馬ソルテの父タイムパラドックス
  • 22歳になった今も好馬体を披露したグラスワンダー
    22歳になった今も好馬体を披露したグラスワンダー
  • NAR2歳最優秀牡馬に輝いたローズジュレップの父ロージズインメイ
    NAR2歳最優秀牡馬に輝いたローズジュレップの父ロージズインメイ
  • 初年度産駒スマートオーディンが活躍中のダノンシャンティ
    初年度産駒スマートオーディンが活躍中のダノンシャンティ
  • 今年初産駒が誕生しているゴールドシップ
    今年初産駒が誕生しているゴールドシップ

 2月14日は、新冠地区の2つのスタリオン(ビッグレッドファーム、優駿スタリオンステーション)で種牡馬展示会が行われた。

 この日の9時30分から種牡馬展示会を行ったのはビッグレッドファーム。通常は放牧地として使用している場所を、この日は駐車場として開放。牧場スタッフが誘導を行う中、あっという間に放牧地だった場所は車で埋め尽くされた。

 この日は繋養種牡馬9頭を展示。新種牡馬の導入こそ無かったものの、ブリーダーズ・スタリオン・ステーションからグラスワンダーが、社台スタリオンステーションからダノンシャンティが移動。

 種牡馬として十分な実績を残しているだけでなく、今、最も旬な種牡馬であるスクリーンヒーローの父であるグラスワンダー。そして、初年度産駒のスマートオーディンが重賞を3勝する活躍をあげ、3歳となった2年目産駒も堅実な勝ち上がりを見せているダノンシャンティの繋養は、個性揃いのビッグレッドファーム繋養種牡馬のラインナップを、よりバラエティにした印象を感じさせた。

 9頭の繋養種牡馬でまず姿を見せたのは、初年度産駒が3歳を迎えたジョーカプチーノ。ビッグレッドファーム蛯名聡マネージャーの、分かりやすい種牡馬紹介の中では、「繋養初年度の種付け頭数は28頭ながらも、既に2頭のオープン馬(マイネルバールマン、ジョーストリクトリ)を送り出しています。一昨年までの過去3年で58頭だった種付け頭数も、昨年だけで54頭の繁殖牝馬に配合することができました」との生産界からの注目度の高さも伝えられた。

 その次に登場したのは、昨年のマーチS(G3)をショウナンアポロンが勝利、リンクスゼロも2歳時に2勝と世代を問わずに活躍馬を送り出しているアドマイヤマックス、そして、昨年のNAR年度代表馬ソルテを送り出したタイムパラドックスが展示。その次に姿を見せたグラスワンダーは、今年で22歳とは思えないほどの張りのある馬体で、堂々と周回を行っていった。

 年齢ではグラスワンダーに抜かれたものの、繋養種牡馬の中では最もスタリオン在籍歴が長いアグネスデジタルが姿を見せた後は、芝、ダート問わず、オールマイティな産駒成績を残しているロージズインメイが展示。昨年の兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)を優勝し、NARグランプリの2歳最優秀牡馬ローズジュレップの父でもあり、また2014年のJBCスプリント(Jpn1)を制したドリームバレンチノは、9歳で出走した昨年の東京盃(Jpn2)も優勝と、産駒は世代を問わない活躍を見せている。蝦名マネージャーからは、「ドリームバレンチノは今年も現役続行予定と聞いております」との言葉も聞かれており、丈夫で息長い活躍を続けるロージズインメイ産駒の特徴を、その競走生活の中で証明してくれそうだ。

 続いて登場したダノンシャンティはキビキビとした周回を見せ、アメリカ二冠を制した後、3歳で日本に渡ってきたアイルハヴアナザーは、より成熟した馬体を生産者の前に披露していた。ダノンシャンティは3世代目、アイルハヴアナザーは2世代目の産駒が今年デビュー。2頭共に産駒は2歳時から活躍を見せており、アイルハヴアナザーに至っては、昨年のフレッシュサイアーで2位となる実績を残した。今後は2頭の産駒が2歳戦、そしてクラシック戦線も沸かして、更にビッグレッドファーム種牡馬スタッフの仕事を忙しくしてくれるに違いない。

 この展示会の大トリを務めたのは、今年、初年度産駒が誕生するゴールドシップ。展示に先駆けて、育成厩舎の前では今年、ビッグレッドファームグループで誕生したばかりのマイネテレジアの17(牝、父ゴールドシップ)の展示も行われており、仔出しの良さを見た生産者からは、「しっかりとした馬体をしているし、毛色などを見ても父の良さも遺伝されている」との声も聞かれていた。そのゴールドシップだが、現役時より遙かに白さを増しており、この日の好天から降り注ぐ太陽光線を跳ね返すような輝きを見せていた。現役時はやんちゃな馬との印象もあった中、どの種牡馬よりも落ち着いた歩様で周回を重ねており、動きの良さだけでなく、こうした賢さもまた、生産者には好印象を持たれたに違いない。