アロースタッドで種牡馬展示会が開催
静内地区の合同展示会第2弾はアロースタッド。かつてはタマモクロスやアンバーシャダイ、メジロライアンなどの人気種牡馬を繋養し、現在もNARで前人未到の年間400勝を達成したサウスヴィグラスなどを筆頭に多くの種牡馬を繋養する大型スタリオンだ。
今回は新種牡馬5頭含む、総勢26頭が展示、紹介された。穏やかな天候にも恵まれ、集まった人たちは約400人。厩舎前に備えられた馬見せ場を囲むように登場を待った。
展示会は午前10時にスタート。最初に新種牡馬5頭が展示された。リヤンドファミユはオルフェーヴルの全弟。骨折のために競走馬としては不完全燃焼に終わったが、若駒Sを勝ったときにはクラシック候補として注目された。今回は、有志を集めてシンジケートが結成されて種牡馬としての第一歩を踏み出した。代表の藤井義人は「多くの人のおかげで種牡馬になることができました。血統特有の馬格ながら伸びがあってしなやかな馬体。クラシックディスタンスはもちろん、短い距離でも活躍してくれそう。精一杯のサポートをしたい」とあいさつした。
続いて登場したのはホッカイドウ競馬で重賞2勝を記録したクリーンエコロジー。デビューはJRAで2歳時には新潟2歳S(G3)1番人気に支持され、デイリー杯2歳S(G2)4着という成績もある。ホッカイドウ競馬の田中淳司調教師が駆けつけて「ダートグレード競走の北海道スプリントC(Jpn3)ではメンバー最速の上がりタイムで地方競馬最先着。8歳(当時)になってもJRA代表馬に引けを取らないスピードを証明しました。今年も競馬を使いたかったというのが本音ですが、門出を祝いたい」とエールを送った。
未完の大器といわれたペルーサは、昨年の夏からアロースタッドで種牡馬としての準備をしていただけに万全の様子。現役時代に管理していた藤沢和雄調教師からは「雄大な馬格、そしてサラブレッドとして理想ともいえるバランスのよい体型で、華のある馬でした。デビューから不敗の4連勝で青葉賞(G2)を制し、ダービー(G1)制覇を強く意識した馬でした。アクシデントで持てる力を発揮できない時もありましたが、8歳になって復活したように長く、その能力を発揮できました」というメッセージが届けられた。
ダブルスターは、NAR年度代表馬ラブミーチャンの半弟。「毛色こそ違いますますが、当スタッドの人気種牡馬シニスターミニスターの生き写しともいえる体のライン。2歳時にホッカイドウ競馬からデビューし、JRAへ移籍後オープン特別に優勝。これからという矢先に故障によって引退を余儀なくされました。父としての活躍を期待しています」と事務局からの説明があった。
新種牡馬の最後はトーホウジャッカル。度重なるアクシデントに見舞われてダービーの前日デビューとなったが、秋には菊花賞(G1)を世界レコードで駆け抜けた。現役時代に苦楽をともにした谷潔調教師からは「私に初めてのG1タイトルをもたらしてくれた馬です。この馬の子を預かる日が楽しみです」とメッセージがあった。父は種牡馬引退が決まったスペシャルウィーク。後継種牡馬のリーチザクラウンが成功しており、楽しみが広がっている。
ほか、前述のサウスヴィグラスほか、初年度産駒が好調なトランセンド、スズカコーズウェイ、クラシック候補ブレスジャーニーを送り出したバトルプランや、オーナーのプライヴェート種牡馬から解禁となったトーセンファントムらも紹介されて、熱い視線を浴びた。
また、展示会終了後には繋養種牡馬の無料種付権利がプレゼントされる抽選会も実施されて、参加者を楽しませた。