JBBAが千歳市で講習会
1月17日夜、JBBA公益社団法人日本軽種馬協会は、千歳市にある北ガス文化ホール(千歳市民文化センター)2階中ホールにおいて、軽種馬経営高度化指導研修事業の一環として講習会を開催した。
講習会には、足元が悪いなか、夜遅くにもかかわらず、約150人の胆振や日高の牧場関係者が出席。参加を募ったところ、予定より2倍近くの申し込みがあったため、急遽大きい会場に変更したという。
講習会では日本軽種馬協会静内種馬場生産技術総合研修センターの田中弘祐調査役が「アシのトラブルを学ぼうⅠ-肢蹄トラブルの実態-」を演題に講演。集まった出席者を前に、主催者を代表して中西信吾日本軽種馬協会静内種馬場生産技術総合研修センター長は「「本日はご多忙のところ、多数の方々にご出席いただきまして誠にありがとうございます。今日の講演では田中調査役が肢蹄管理したデータなどをもとにアシのトラブルについてお話します。皆様にとって有意義なものになりますことを祈念いたします」とあいさつした。
講師の田中調査役は、1974年にJRA日本中央競馬会に入会。競走馬保険研究所(現競走馬総合研究所)での装蹄業務に続き、美浦・栗東両トレセンにて競走馬の装蹄に習熟し、1984年には全国装蹄競技大会に優勝。1988年には指導級資格を取得した。その後、JRA日高育成牧場で競走馬になるための仔馬の肢蹄異常への装蹄療法に携わり、2008年からJBBAに出向し、静内種馬場軽種馬生産技術総合研修センターにて、種牡馬、繁殖牝馬、仔馬の肢蹄異常の実態調査やその矯正技術の開発と普及に取り組んでいる。2015年12月にJBBAが発行した冊子「生まれ来る子馬たちのために~アシのトラブルを学ぼう!~」において、肢軸異常、クラブフットの実態について執筆。肢蹄管理のスペシャリストとして、調査研究、後身の指導、講習会の講師としてフットケアの重要性を働きかけている。
田中調査役は、冊子をレジュメに、肢勢のタイプ、歩様の違い、子馬の肢軸異常、肢軸異常の発症率に関するデータ、治癒率に関するデータなどを紹介。最後に「経験を積んだ人がアシの状態を理解し、若い人に伝えていってほしい」とメッセージを送った。