馬産地ニュース

胆振獣医師会が講習会

  • 2016年11月01日
  • 苫小牧市で開かれた産業動物(馬)講習会
    苫小牧市で開かれた産業動物(馬)講習会
  • 講師を務めたJRA競走馬総合研究所の大村一主任研究員
    講師を務めたJRA競走馬総合研究所の大村一主任研究員
  • 質問に答えるJRA馬事部防疫課の額田紀雄課長
    質問に答えるJRA馬事部防疫課の額田紀雄課長

 10月28日、胆振獣医師会(田中秀俊会長)は、苫小牧市にある日胆農業会館3階会議室において、平成28年度産業動物(馬)講習会を開催した。

 講習会は北海道家畜畜産物衛生指導協会との共催で、全国公営競馬獣医師協会、胆振獣医師会馬部会が協力。1999年から続けられており、19回目を迎えた今年は、「馬の跛行診断の基礎と実際」がテーマとなった。このテーマは、昨年12月に札幌で開催された第91回日本獣医麻酔外科学会において、整形外科委員会シンポジウム「馬の跛行から学ぶ、犬・猫など四肢歩行動物の歩様変化の理解」の内容をバージョンアップしたものという。

 当日は胆振獣医師会馬部会の会員、JRA日本中央競馬会、日本軽種馬協会、日高地区農業共済組合、日高軽種馬農業協同組合、日高・胆振や本州の開業獣医師、牧場の獣医師や従業員、北海道日高装蹄師会の装蹄師、胆振軽種馬農業協同組合、大学生など約150名が出席した。

 講習会の開催にあたり、主催者を代表して胆振獣医師会馬部会の田上正明会長は「本日はお忙しい中、胆振や日高、そして全道や本州から、遠路から多くの方々に足を運んでいただきありがとうございます。また、講師の先生におかれましては、ご多忙中にもかかわらず、資料の作成や講演に来ていただき、心から御礼申し上げます。この講習会は臨床の現場の先生が聞きたい身近な話題を取り上げて、みんなで検証しあおうということを目的としています。今回のテーマの跛行は2000年、2009年以来3回目となります。何度も取り上げていますが、跛行というのは、それだけ重要で、かつ、大変難しいテーマです。それぞれの講演のあとには質問する時間を設けております。最後には総合討論も行います。恥ずかしがらずにどんどん質疑応答してほしいです。今日一日、跛行について頭を悩ませ、有意義な一日になることを祈っております」とあいさつした。

 この日は午前中に3つ、午後から2つ、跛行をテーマに5人の講師が講演した。講習会の演題は下記の通り。

●講演・講師
「跛行に関する運動科学馬における跛行診断の基本的な考え方・見方について」・JRA日本中央競馬会競走馬総合研究所大村一主任研究員
「競走馬における跛行診断とその原因について」・JRA日本中央競馬会馬事部防疫課額田紀雄課長
「乗用馬における跛行診断とその原因について」・大和高原動物診療所齋藤重彰獣医師兼装蹄師
「馬の防疫・薬物規制および地方競馬の現状について」・全国公営競馬獣医師協会上田毅会長
「跛行の原因:関節疾患の病態」・北海道大学大学院獣医学研究科奥村正裕教授
「馬の跛行診断の進歩 診断麻酔の実際 症例検討(動画で)」・社台ホースクリニック田上正明所長
―総合討論―