札幌馬主協会が馬産地懇談会
10月24日、一般社団法人札幌馬主協会(下河辺俊行会長)は、新ひだか町静内吉野町にある静内エクリプスホテル2階エクリプスホールにおいて、JRA日本中央競馬会の堀宣行調教師を講師に招き、馬産地懇談会を開催した。
馬産地懇談会は今年で13回目。会場にはトップトレーナーの貴重な話を聴講しようと、馬主協会会員のほか、日高や胆振の牧場関係者、日高軽種馬農業協同組合の役職員、JRA札幌競馬場職員などで満席となった。
馬産地懇談会を企画した同馬主協会の吉田照哉事業サービス委員会委員長は「堀調教師は開業当初から特別な馬を扱ってきたわけではなく、普通の馬で成績を残し、トップトレーナーに上り詰めてきました。これには何か秘訣があると私は思い、懇願して講師としてきていただきました。堀調教師との質疑の時間も用意してありますので、今日の懇談会が実りあるものとなり、明日からの夢と希望の世界が広がる会になればと進めていきたいです」と挨拶。主催者を代表して下河辺会長は「堀先生は関東をしょって立つ調教師。良い話をお聞かせいただけると思います。今日の話がひとつでも皆様の牧場の基盤強化につながるヒントになればと期待しています」と述べた。
来賓として駆けつけたJRA札幌競馬場の小玉剛資場長は「JRAとしても堀先生の話を聞けるのは貴重な機会。大変楽しみにしています。また、札幌馬主協会様、生産地の皆様には、JRAの日頃の運営に対してのご協力、ご支援に、この場を借りて御礼申し上げます」。木村貢日高軽種馬農業協同組合代表理事組合長は「堀先生を講師に招聘された札幌馬主協会様のご尽力に感謝。今日は堀先生の話から私たちの生産育成活動のヒントを見つけたい」と祝辞を送った。
講師の堀調教師は千葉県出身。平成3年5月に競馬学校厩務員課程、同年8月に美浦・諏訪富三厩舎の厩務員、同年11月に美浦・二ノ宮敬宇厩舎の調教助手になり、平成14年に調教師免許を取得。平成15年3月の厩舎開業以来、平成23年に'11年JRA賞(最高勝率調教師)、最高勝率調教師賞、優秀調教師賞(関東)1位、平成27年に'15年JRA賞(最多勝利調教師・最高勝率調教師)、優秀厩舎賞(関東)2位、平成22年と平成24年に優秀調教師賞(関東)1位、平成25年に優秀厩舎賞(関東)1位になるなど数々の賞を受賞している。
「堀厩舎の取り組みについて」と題した講演で堀調教師は、競馬の社会に入ったきっかけ、調教師を志した動機、調教師になったときに掲げた目標、調教の進め方、現在厩舎で取り組んでいるテーマなどを披露。「ナチュラルホースマンシップは厩舎のスタッフにどれくらい浸透しているか?」、「堀先生の勝率は0.148と大変高いですが、出走馬の質を上げるために大事にしていること、注意していることがあれば教えていただきたい」、「獣医師の診断をどのように参考にしているか?」といった出席者からの質問にも丁寧に答えた。
堀調教師の講演のあとは、立食懇談会を開催し、会員相互の親交を深めた。