サンライズCはヒガシウィルウィンが3度目の挑戦で重賞初制覇
ホッカイドウ競馬の開催も残り1ヶ月となった10月6日、門別競馬場では北海道2歳優駿(Jpn3)へ向けてのトライアルレース、大阪スポーツ杯第16回サンライズC(H2)【スピルバーグ賞】がダート1700mで行われた。
2歳戦の大一番への出走権利を得るため、エントリーしたのは12頭。1番人気は栄冠賞、ブリーダーズゴールドジュニアC(H1)の2着馬、ヒガシウィルウィンで1.9倍。実績上位馬だけに、ここは負けられない1戦だ。そして栄冠賞、イノセントC勝ち馬のバンドオンザランは距離延長に疑問符が打たれ3.4倍の2番人気。3番人気はブリーダーズゴールドジュニアCの3着馬で、盛岡のジュニアGPにも遠征したミルグラシアスが8.0倍だった。前日、川崎競馬場で行われた鎌倉記念(南関東S3・ダ1500m)をブリーダーズゴールドジュニアC優勝馬、ストーンリバーが制した直後とあってブリーダーズゴールドジュニアCの好走組が人気を集めた。
前夜に降った強い雨の影響でコース上に水が浮いている不良馬場。バラついたスタートから、スタンド前を通りポジション取りを進める12頭、スーパーステションが先頭で1コーナーを回り、バンドオンザランは2番手、カンテサンス、ヒガシウィルウィン、ビービーアルボーレ、ミルグラシアスらがほぼ団子状態で続く。直線に入ると後続馬が逃げるスーパーステションを捕らえ、内に進路を取ったヒガシウィルウィンが抜け出しを図るも、スウィフトハートが食い下がり、さらに大外からリコーソッピースも突っ込んでくる展開に、スタンドからどよめきが起こった。結果は人気に応え、ハナ差でヒガシウィルウィンが重賞初制覇。勝ち時計は1:49:1(曇・不良)、2着は後方待機で脚を溜めていた4番人気のスウィフトハート、2馬身1/2差の3着に5番人気のリコーソッピースが入り、三連単122.7倍という波乱を演出した。
前走ウィナーズチャレンジ競走から同馬の手綱を取る宮崎光行騎手は「前走も同じ距離で勝ってますし、馬を信頼して乗りました。馬場は特に気にすることもなく、内枠だったので展開を見ながらという感じでしたね。ゴール前まで接戦にもつれ込んだので、とにかく頑張ってくれという思いでした」と淡々と振り返った。
ヒガシウィルウィン、バンドオンザラン、スーパーステションの3頭出し、今年も有力2歳馬を多く管理する角川秀樹調教師は「展開に左右されないで自分のレースができる馬だし、ベテランジョッキーにお任せでした。3コーナーで少し窮屈になる場面もあったけど、直線では上手く捌いてくれました」と人気を背負っての勝利に安堵の表情。「次が本番だからね。今日以上に良い状態に仕上げて挑みたい」と気を引き締めていた。
ヒガシウィルウィンは父サウスヴィグラス、母プリモタイム、母の父ブライアンズタイムという血統の2歳牡馬。生産は新ひだか町静内のグランド牧場で、母の半妹にタイニーダンサーがおり、ホッカイドウ競馬ではお馴染みの血統背景を持っている。