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道営スプリントはクリーンエコロジーが1年ぶりの重賞勝利

  • 2016年10月03日
  • ゴール直後、ガッツポーズの服部騎手
    ゴール直後、ガッツポーズの服部騎手
  • 厩舎スタッフとも喜びを分かち合った
    厩舎スタッフとも喜びを分かち合った
  • 重賞2勝目を飾ったクリーンエコロジー
    重賞2勝目を飾ったクリーンエコロジー
  • 口取り写真
    口取り写真
  • 三輪茂日高町長(左端)からも祝福を受けた
    三輪茂日高町長(左端)からも祝福を受けた

   ホッカイドウ競馬短距離路線の最高峰、東京スポーツ杯第11回道営スプリント(H2)【サウスヴィグラス賞】が9月29日、ダート1200mで争われた。

   今年は他地区・高知からサクラシャイニーを迎え、4歳~10歳の14頭がエントリーした。1番人気は、JRAからの移籍緒戦でグランシャリオ門別スプリント(H3)を制したケイアイユニコーンで3.2倍。グランシャリオ門別スプリント、エトワール賞(H3)のスプリント重賞連続2着のシセイカイカが5.6倍の2番人気に推された。差のない3番人気は昨年のエトワール賞を制したクリーンエコロジーで5.8倍、高知競馬から参戦したサクラシャイニーが5.9倍の4番人気でつづいた。

   1レーススタート前に降り止んだ雨の影響は最終レースまで残り、馬場は重。絶好の飛び出しを見せたのは逃げを身上としているサクラインザスカイ。高知のサクラシャイニー、コールサインゼロ、オグリタイム、マックスガイがつづき、人気どころは中団から後方に固まる縦長の展開になった。セーフティーリードを保ったまま直線に入ったサクラインザスカイだったが、後方で脚を溜めていた人気馬たちが襲いかかってくる。外からクリーンエコロジーが一気に弾け、約1年振りの重賞勝利をもぎ取った。勝ち時計は1:13:5(曇・重)1馬身1/2差の2着は前目で競馬をしていたコールサインゼロ、1/2馬身差の3着は勝ち馬と同じ位置から追い出しを開始していたオグリタイムだった。

   1年ぶりに同馬の手綱を取った服部茂史騎手は、ゴール直後ガッツポーズを見せ喜びを爆発させた「馬のリズムを崩さないよう、ムキになるところを制御しながら乗ってましたが、自厩舎の馬がハナに立って流れも良かったし、4コーナーを回った時は交わせると感じました。久々の重賞勝利、厩舎スタッフが一丸となって馬を作ってきた結果ですし、とても嬉しい」と、声を弾ませた。

   管理する田中淳司調教師は、現時点でリーディングトレーナーながらも、重賞はピンクドックウッドで制したフルールカップ(H3)以来2勝目。今年クリーンエコロジーは船橋や盛岡にも遠征し、貪欲に勝ちを求めていた「馬の状態はずっと良かったんですが、ちぐはぐなレースが続いていて、歯がゆかったですね。今日はこの馬の持ち味が発揮できて文句のつけどころのないレースでした」と満足気な表情。今後については「地元にこだわらず、1ターン1200~1400mのレースに挑戦していきたいです。オーナーと相談して決めたいと思います」とのことだった。

   JRAのオープン馬だったクリーンエコロジーは昨年、7歳の時にホッカイドウ競馬に移籍。父キングカメハメハ、母スパークルジュエル、母の父Unbridled's Songという血統で、新ひだか町静内にある千代田牧場のオーナーブリーディングホース。8歳となった現在もホッカイドウ競馬の雄として活躍していくことだろう。