馬産地ニュース

北海道静内農業高等学校生産馬がサマーセールで売却

  • 2016年09月02日
  • 北海道サマーセールで売却された叶夢との記念撮影
    北海道サマーセールで売却された叶夢との記念撮影
  • 9月1日にJRA日高育成牧場に入厩した
    9月1日にJRA日高育成牧場に入厩した
  • 放牧地で軽快なフットワークを見せた(写真中央) 
    放牧地で軽快なフットワークを見せた(写真中央) 

   8月25日、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校(大関俊郎校長)の生産馬が、新ひだか町静内神森の北海道市場にて行われた北海道サマーセール4日目に上場され、2,052,000円(税込)でJRA日本中央競馬会に売却された。

   売却されたのは父バゴ、母ゴートゥーザノース(母の父アグネスタキオン)との間に生まれた「叶夢(かのん)、牝1歳、黒鹿毛」。「夢が叶うように」と馬術部の生徒が名付けた叶夢は、1,500,000円(税抜き)からセリが始まると、複数の購買希望者から声がかかり、最後は1,900,000円(税抜き)の値を付けたJRAにハンマーが落ちた。

   競り落とされると見守っていた大関校長や生徒は安堵と笑顔。集まった市場関係者や報道陣に祝福を受け、愛馬と一緒に記念写真に納まった。

   購買したJRA日高育成牧場の平賀敦場長は「四肢もしっかりしていて馬の出来そのものが良かったのか決め手となりました。バゴの産駒らしいまとまった馬体も気に入りました。思ったより安く買えたので良かったです」とコメント。叶夢の1歳上の半姉(2歳、父サマーバード)も昨年のサマーセールで購買したが、今年のJRAブリーズアップセール前に開腹手術をして欠場を余儀なくされた(その後、北海道トレーニングセールに上場され税込4,320,000円で売却)だけに、「来年のブリーズアップセールに無事に上場できるようしっかり育てていきたい」と抱負を口にした。

   叶夢は9月1日に浦河町西舎にあるJRA日高育成牧場へ移動。1日は学校で試験があったため生徒たちは立ち会えなかったが、馬術部顧問の池田幸治教諭が馬運車を運転し、生徒が託した想いと一緒に生産馬を送り届けた。

   北海道静内農業高等学校は1978年に北海道静内高等学校から分離独立して開校。食品科学科と生産科学科の2学科があり、全国で唯一、軽種馬生産学習を正規のカリキュラムに取り入れる高校として知られている。毎年1頭は生産しており、代表的な生産馬には、JRAで3勝をあげたユメロマン(牡、父ジェネラス)、駒ケ岳特別などJRA2勝のゴーゴーヒュウガ(牡、父スズカマンボ)、2002年の益田優駿に優勝したアラブのサントゥールワン(牝、父トライバルセンプー)などがいる。また、学び舎からは多くのホースマンも巣立っている。