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エトワール賞はレッドペリグリンが重賞初勝利

  • 2016年08月23日
  • 最内レッドペリグリンが抜け出し、大外から芦毛のシセイカイカが襲いかかる
    最内レッドペリグリンが抜け出し、大外から芦毛のシセイカイカが襲いかかる
  • インを突いたレッドペリグリンが凌ぎきり重賞初勝利
    インを突いたレッドペリグリンが凌ぎきり重賞初勝利
  • ホッカイドウ競馬生え抜き馬が久々の重賞勝利
    ホッカイドウ競馬生え抜き馬が久々の重賞勝利
  • 地元日高町にある今井保牧場のオーナーブリーディングホース
    地元日高町にある今井保牧場のオーナーブリーディングホース
  • 伊藤千尋騎手は今季重賞2勝目となった
    伊藤千尋騎手は今季重賞2勝目となった

  8月18日、門別競馬場では古馬スプリント重賞、HBC杯・第16回エトワール賞(H3)【スマートファルコン賞】が距離ダ1200mで行われた。

 今年のメンバーは3歳から8歳までの快速自慢が集結。他地区岩手競馬からトドイワガーデンを迎え10頭で争われた。1番人気に推されたのは、JRAからの移籍緒戦となったグランシャリオ門別スプリント(H3)を快勝したケイアイユニコーン。地力の差は歴然、とばかりに1.4倍の指示を受けた。3.4倍の2番人気はグランシャリオ門別スプリント2着のシセイカイカ。2歳のデビューから7歳になる現在まで門別競馬場の短距離を中心に走り49戦18勝。このコースのスペシャリストではあるが、まだ重賞のタイトルがない同馬に期待が集まった。7.8倍の3番人気は4歳馬、コールサインゼロ。3歳時南関東、JRAへと移籍し、力をつけて古巣ホッカイドウ競馬へと戻ってきた。

 前日は台風の影響で暴風雨が吹き荒れ、9R以降のレースが中止になってしまった門別競馬場。この日は台風一過の好天に恵まれ、馬場も徐々に回復していった。

 レースは、サクラインザスカイとトドイワガーデンの先行争いでスタート。直後にコールサインゼロ、ケイアイユニコーンがつづき、前をマークするように外からシセイカイカ、内にレッドペリグリンという縦長の体制になった。単独で逃げを打つサクラインザスカイに、後続馬がジワジワ距離を詰める。4コーナーを回ると、外からケイアイユニコーンが襲いかかるがサクラインザスカイの脚色は衰えない。その代わり、最内でジッと我慢していたレッドペリグリンがスパート。直線では2頭のマッチレースになったが、レッドペリグリンがサクラインザスカイを競り落とした直後、大外からシセイカイカが飛び込むも届かず、レッドペリグリンが4度目の重賞挑戦で初戴冠を果たした。勝ち時計1:11:7(晴・重)。3/4馬身差の2着にシセイカイカ、そこからアタマ差の3着は最後まで粘ったサクラインザスカイだった。

 鞍上の伊藤千尋騎手は、ジュエルクイーンで制したヒダカソウカップにつづき今季重賞2勝目。3歳秋からずっと同馬の手綱を取ってきただけに感動もひとしおだ。「最初から前が速くなると思っていたので、1枠が当たった時点で腹を括って内を突こうと決めていました。最後、直線で追い比べになった時は悪いクセが出ないよう、頑張ってくれ!という思いでムチを入れてましたね。真面目に走ってくれれば力はあるのに、今まで歯がゆいレースが続いていたので、本当に良かった」と表彰式のインタビューに笑顔で答えた。

 管理する佐久間雅貴調教師は今季重賞初制覇。「折り合い、位置取り、全て完璧に乗ってくれて、最後の直線は見応えがありましたね。2歳のデビューから遠征も移籍もせず、ずっとここで力をつけてきた馬。秋の道営スプリント(H2)を次の目標に置いて、皆さんの期待に応えられるように仕上げていきたいです」と声を弾ませた。

 レッドペリグリンは父ボストンハーバー、母ケリーズアイ、母の父スクワートルスクワートという血統の5歳牡馬。日高町にある今井保さんのオーナーブリーディングホースで、母はホッカイドウ競馬で2勝、半弟カグラハヤテ(牡3、父アドマイヤマックス)も4勝をあげている。