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王冠賞はジャストフォファンが重賞初勝利で三冠最後の一冠を手にする

  • 2016年08月01日
  • スタートを決め軽快に逃げるジャストフォファン
    スタートを決め軽快に逃げるジャストフォファン
  • 他馬に影をも踏ませぬ圧勝劇だった
    他馬に影をも踏ませぬ圧勝劇だった
  • 王冠賞で待望の重賞初勝利
    王冠賞で待望の重賞初勝利
  • 阿部龍騎手も今季重賞初勝利
    阿部龍騎手も今季重賞初勝利
  • 三冠最後の一冠を手に入れた関係者の皆さん
    三冠最後の一冠を手に入れた関係者の皆さん

   7月28日、門別競馬場では3歳三冠最終戦となる北海道新聞社杯第37回王冠賞 (H2)【モンテロッソ賞】がダ1800mで行われた。

   4月の北斗盃(H3)、5月の北海優駿 (H1)を戦ってきた生え抜き組か、中央、他場から移籍してきた新勢力か。11頭の3歳馬が最後の一冠を目指し万全の態勢を整えてきた。

   1.3倍、断然の1番人気は二冠馬スティールキング。ここを勝って今年から施行された「三冠ボーナス」を奪取できるかに注目が集まっていた。離された2番人気は、JRAから移籍後5連勝中のキタサンシャドーで5.3倍。まさに秘密兵器という雰囲気を醸し出している。6.8倍の3番人気は、北斗盃2着、北海優駿3着と、スティールキングに後塵を拝しているジャストフォファンだった。

   数日間降り続いている大雨の影響で、この日は1レースから不良馬場。レースの時だけ一時的に上がったものの、逃げ馬有利の馬場状態で戦いの火蓋が切られた。

   当然のようにジャストフォファンが先陣を切り、ヴァイパー、スティールキングは3番手、その後ろにキタサンシャドー、ティーズブラッドがつづく。向こう正面で2番手に上がったスティールキングは、3コーナーを回ると僚馬ジャストフォファンを射程圏内に入れつつ、外から並びかけてくるキタサンシャドーとともに追い出しを開始した。しかし、逃げるジャストフォファンの脚色は衰えず、懸命に追いすがるスティールキングに4馬身差をつけて逃走劇を完遂した。勝ち時計は1:51.9(不良)2着にスティールキング、そこから4馬身離された3着には前2頭と激闘を繰り広げてきたキングニミッツ(北斗盃3着、北海優駿2着)が意地を見せ、今年のホッカイドウ競馬三冠レースは、他馬に付け入る隙を与えず、この3頭の着順が入れ替わっただけだった。

   ジャストフォファンは重賞初勝利、鞍上の阿部龍騎手も今季重賞初勝利となった。「自厩舎の三冠(スティールキング)がかかっていたんですが、この馬が力を出し切った結果だと思っています。このレースは、自分自身初めて勝った重賞レースでもありますし(2014年にスタンドアウトで勝利)ジャストフォファンもこれからドンドン力を付けていくでしょうから、格好いい姿を見せられればと思います」と振り返った。

   王冠賞ワン・ツーを果たした角川秀樹調教師は「自厩舎の馬が勝ったんだけど、こんな複雑な気持ちになることはなかなかないよね。ジャストフォファンに関しては、この馬向きの馬場だったし、流れも淀みなく進んで仕舞いどうかなと思ったけど強かったね。いい状態で出走させられたし、王冠賞でワン・ツーできたことは光栄に思います」と神妙な面持ちだった。

   ジャストフォファンは、父バゴ、母サパス、その父キングマンボという血統の3歳牡馬。新冠町の(有)社台コーポレーション白老ファームの生産馬で、2014年のサマーセールにおいて270万円で落札された。