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ノースクイーンカップはタイムビヨンドが重賞初制覇

  • 2016年07月27日
  • 3強の激突となった最後の直線
    3強の激突となった最後の直線
  • 最速の末脚を爆発させたタイムビヨンドが初重賞勝利を飾った
    最速の末脚を爆発させたタイムビヨンドが初重賞勝利を飾った
  • レコードタイムで駆け抜けたが飄々とした表情
    レコードタイムで駆け抜けたが飄々とした表情
  • 待ちに待った重賞の口取り
    待ちに待った重賞の口取り
  • 晴れやかな表彰式となった
    晴れやかな表彰式となった

 7月21日、門別競馬場ではグランダム・ジャパン2016シリーズ、古馬シーズン第2戦となる、第15回ノースクイーンカップ(H2)【キングズベスト賞】が行われた。1~3着馬には8月11日に開催されるブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)への優先出走権が与えられるトライアルレースでもあり、距離はダート1800m。

 今年は4歳から6歳までの牝馬9頭がエントリー。1.9倍の1番人気に推されたのは、生え抜きの4歳牝馬タイムビヨンド。3歳時にはホッカイドウ競馬三冠レースに挑戦し、北斗盃3着、北海優駿2着、王冠賞2着と、牡馬顔負けの戦績を残してる。3.6倍の2番人気は前哨戦ヒダカソウカップ(H3)を制したジュエルクィーン、4.0倍の3番人気は昨年の覇者、6歳馬のサンバビーンが支持され、この3頭に人気が集中。4歳馬の世代交代か、6歳馬の意地を見せるかに注目が集まった。

 スタンド前からのスタート、輪乗りの段階からどの馬も落ち着いていて、古馬の風格を感じる。いつも通りサンバビーンが先手を奪い、軽快に飛ばしていく。控えたフィーリンググー、クライリング、その後ろにジュエルクイーンとタイムビヨンドという位置取りで落ち着いた。大勢はほとんど変わらず3コーナーへ向くと各馬が動き出し、外からジュエルクイーンが果敢にサンバビーンを捕らえにかかる。直線、前を行くサンバビーンとジュエルクイーンを見ながら、大外から追い込んできたタイムビヨンドが2頭に並びかける。まさに3強の争いとなったが、残り100mでタイムビヨンドがさらに加速、2着ジュエルクイーンに2馬身半差を付けて重賞初勝利を飾った。勝ち時計1:52:5(重)はレースレコード。昨年の勝ち馬で、今回もレースを引っ張ったサンバビーンはジュエルクイーンから2馬身差の3着に敗れ、このレースを最後に引退が発表された。

 惜敗を続けてきたタイムビヨンドが、とうとう勲章を掴んだ。その裏には、管理する堂山芳則調教師の強い思いがあった「ここへ照準を合わせ、牝馬ながら手加減せず、強めの調教で仕上げてきました。結果、強いタイムビヨンドを見せることができてよかったです。ブリーダーズゴールドカップも登録していますが、馬の状態を見て決めたいですね。その後、岩手のビューチフルドリーマーカップは挑戦する予定で、グランダム・ジャパン古馬シーズンのチャンピオンを狙っていきたいです」と話し、気持ちは次走に向いていた。

 鞍上を務めた宮崎光行騎手は「このメンバーでは間違いなく実力上位だし、馬を信じて乗りました。道中はジュエルクイーンの動きを見ながらスパートのタイミングを計り、ゴーサインを出したらスッと並んでいってくれたので、馬の力で勝たせてもらいましたね。相手なりに走りますから、これから古馬中距離路線でおもしろい存在になるんじゃないかな」と期待を寄せていた。

 タイムビヨンドは父タイムパラドックス、母ブルーダイナ、母の父カコイーシーズという血統の4歳牝馬。地元日高町にある船越牧場の生産馬で、近親には97年の帝王賞(G1)などを制したコンサートボーイがいる。2歳時から重賞に挑戦し、7戦目で重賞初勝利となった。