星雲賞はオヤコダカが6馬身差の圧勝
7月7日、門別競馬場では古馬によるマイル重賞、週刊Gallop杯第13回星雲賞(H3)【アドマイヤムーン賞】が内回り距離1600mで行われ、4歳の精鋭から7歳、8歳の古豪の9頭がエントリーした。
2.2倍の1番人気は、一昨年の道営記念(H1)優勝馬で、今季もコスモバルク記念(H3)、ハービンジャー・プレミアムを連勝と、8歳になっても力は衰えていないウルトラカイザー。2.4倍の差のない2番人気には内回り1600mのレコードホルダー、オヤコダカ。コスモバルク記念はウルトラカイザーの2着に敗れはしたものの、同馬不在の赤レンガ記念(H3)を完勝。得意のコースでリベンジを狙う。5.4倍の3番人気はJRAのオープン馬、ロイヤルクレスト。昨秋からホッカイドウ競馬に移籍し、条件戦をクリアしてここへ挑んできた。
七夕のこの日、朝から好天に恵まれ、発走時刻には天の川も見られた。名前の通り星雲に包まれながら、スタンド前からスタート。いつも通りハナを主張するヘブンズゲートにウルトラカイザー、ロイヤルクレスト、ダイワエクシード、大外オヤコダカが横一線で並び1コーナーへ殺到。向こう正面ではロイヤルクエストが先頭に立ち、後続を引っ張るかたちに。直後にオヤコダカ、少し間が空いてヘブンズゲートとウルトラカイザーがつづいた。4コーナーカーブでオヤコダカがロイヤルクレストを交わし先頭へ。残り200mでムチが入ると一気に加速、後続を突き放し6馬身差の圧勝。快心のレースに、鞍上の石川倭騎手は小さくガツッポーズを見せた。勝ち時計は1:40.8(晴・良)、2着には直線で盛り返したヘブンズゲートが入り、更に1馬身差の3着はロイヤルクエストだった。1番人気のウルトラカイザーは5着に敗れた。
故・原孝明調教師から託されるかたちで米川昇厩舎に移籍したオヤコダカ。今季からパートナーを組んでいる石川倭騎手は「調教からずっと乗っていて、難しいところのある馬だったんですが、やっと掴めてきて今日も抜群の反応をしてくれました。意志の疎通が図れるようになって、素直に嬉しかった」と思わずガッツポーズが出たようだ。「いい枠が当たったので出たなりで、周りを見ながらと考えていました。ずっと反応が良く、番手でも突き抜けられるという自信がありましたし、思った通りのレースができました。内回りには実績があり、強いとわかっていますが、この先外回りがつづくので、そこで結果が出せればと思っています」と冷静に振り返った。
管理する米川昇調教師は「もうちょっと厳しいレースになると思っていましたが、強かったのでビックリしています。今後は馬の状態を見ながらローテーションを組んで行きたいですね」と話し、トップホースになりつつある管理馬の次走は慎重に見極めていくようだ。
オヤコダカは新冠町の森永聡さんの生産馬で、父サムライハート、母オメガカリビアン、母の父フレンチデピュティという血統の4歳牡馬。近親にG1馬ヌーヴォレコルトがおり、母の産駒は1勝以上あげている堅実なファミリーだ。
同馬は、2歳時ブリーダーズGJrC(H1)、3歳時北斗盃(H3)、王冠賞(H2)、4歳になって赤レンガ記念(H3)、星雲賞(H3)を制しこれで重賞5勝目。これからも勝ち星を積み重ね、ホッカイドウ競馬を牽引していくことだろう。