JRA日高育成牧場で育成技術講習会
6月8日夜、浦河町西舎にあるJRA日高育成牧場は、JRA馬事公苑普及課の北原広之課長を講師に招き、育成技術講習会を開いた。
北原氏による講習会は昨年に続き2度目。昨年は実馬を用いて講義を行ったが、今年はスライドや動画を利用した座学形式の講習会になった。
北原氏は1971年東京都出身。1978年にJRA馬事公苑弦巻騎道スポーツ少年団に入団し乗馬をはじめるとめきめきと上達。1991年に明治大学に入学してからは、1994年に全日本学生大会馬場馬術競技で個人優勝するなど数々のタイトルを獲得した。1995年にJRAに入会し、馬事公苑普及課に勤務。1999年にはドイツのシュミット厩舎での海外研修を経験し、2001年に帰国してからは、2004年から2006年まで、全日本馬場馬術選手権大会3連覇を達成している。現在は競技会出場と併行して全国各地で講習会を開き、乗馬・競走馬の騎乗調教方法についての技術普及を行っている。また、土日の中央競馬開催では競馬場の誘導馬に騎乗し、ビッグレースを影で支えている。
「セルフキャリッジにするために」と題した講習会で、北原氏は「競走馬と馬場馬術の違い」、「馬の仕事、騎手の仕事」、「ハミ受けの効果、「馬場馬術におけるハミ受け」、「競走馬に求められるハミ受け」、「ハミ受けの流れ」などについて言及。どのようにすれば馬が自分でバランスとリズムを保つ状態を引き出せるか、身振り手振りで説明した。
会場となったJRA日高育成牧場事務所大会議室には、馬場馬術のトップライダーに教示を受けようと、地元浦河町からだけでなく、日高町や新ひだか町、新冠町、平取町や胆振の牧場関係者や乗馬愛好家らが出席。用意した席はすべて埋まり、立ち見が出るほど盛況を呈し、講義後には馬術の技術を競走馬の調教に生かそうと、出席者から複数の質問が寄せられた。