静内農業高等学校で父バゴの牡馬誕生
JRAで勝利をあげたユメロマン、ゴーゴーヒュウガなどを生産した北海道静内農業高等学校(新ひだか町)で4月13日、父バゴの牡馬が誕生した。
北海道静内農業高等学校は昭和53年の開校で、全国で唯一、軽種馬生産学習をカリキュラムに取り入れている。毎年1頭サラブレッドを生産しており、生徒と教諭で協力しながら育て、主に北海道市場で売却している。近年、馬産地は人材不足の問題を抱えており、若き高校生が馬について学ぶ環境があり、インターンシップや牧場実習にも取り組んでいる同校には、年々、牧場からの就職問い合わせが増えている。
今年、誕生した牡馬は父バゴ、母ゴートゥザノースという血統。祖母は英オークス(G1)3着馬で、母の父はノンコノユメやアクティブミノル、アットザシーサイドの活躍でブルードメアサイアーとして注目を集めるアグネスタキオン。出産は午後9時10分頃で、同校の生産科学科の生徒と、指導者である池田幸治・馬術部監督が立ち会い、無事に誕生した。出産後も母子ともに健康で、現在は生産科学科2年生の小野楓馬さん、木村文音さん、佐藤典弘さん、澤瀬大貴さん、田中拓人さん、福久紗蘭さんが担当となり、来年のサマーセール上場を目指し、日々育成に励んでいる。担当の一人である佐藤典弘さんは、「無事に誕生して良かったです。馬についての日誌をつけて、先生や先輩の指導を受けながら育てています。当歳は栗毛で、見た感じは母に似ていますね。薄さは父の特徴が出ていると思います。歩様や引き馬について、少し注意の要る部分があり、田中弘祐装蹄師(JBBA静内種馬場)からアドバイスを受けて、改善しつつあります。普段はやんちゃで、元気に放牧地を走っています」と、話し、「頑丈な馬に育てて、誰からも愛される馬になって欲しいと思います。ユメロマンのように、東京競馬場で勝てるような馬になれば嬉しいです」と、将来像を膨らませていた。
母ゴートゥザノースは来年に向けて、JBBA静内種馬場で繋養している新種牡馬エスケンデレヤと5月7日に交配しており、同校の生徒が軽種馬生産学習の一環として見学している。
また、同校生産馬で、母ゴートゥザノースの第8子にあたる1歳馬(父バゴ)は、同校3年生が中心となって飼養管理しており、8月22日から始まるHBAサマーセールに照準を合わせている。生徒と一緒に馬の世話をしている同校の池田監督は、「牝馬にしてはしっかりしていて、順調に成長しています。今までは取り組んでいませんでしたが、この馬は夜間放牧することも検討しています。2歳の半姉も昨年のサマーセールで、期待以上の評価をいただきましたし、こちらも生徒と力を合わせて良い状態で送り出したい」と、意気込んでいる。