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赤レンガ記念はオヤコダカが伝統の一戦を制する

  • 2016年05月31日
  • 伝統の一戦は4歳馬オヤコダカが勝利
    伝統の一戦は4歳馬オヤコダカが勝利
  • 鞍上の石川倭騎手は今季重賞初勝利
    鞍上の石川倭騎手は今季重賞初勝利
  • 転厩2戦目で重賞制覇を果たした
    転厩2戦目で重賞制覇を果たした
  • 大勢の関係者に祝福された口取り写真
    大勢の関係者に祝福された口取り写真
  • 表彰を受ける皆さん
    表彰を受ける皆さん

 5月25日、門別競馬場では伝統の一戦、楽天競馬杯第53回赤レンガ記念(H3)【ワークフォース賞】が行われ、4歳から8歳までの主要メンバー10頭が顔を揃えた。

 1番人気は昨年の道営記念優勝馬、グランプリブラッド。今年の始動は盛岡競馬場へ遠征したシアンモア記念(M1)で3着、ホームではこれが初戦となる。2番人気は昨年の二冠馬で、前走コスモバルク記念(H3)では勝ったウルトラカイザーとハナ差の死闘を繰り広げたオヤコダカ。そして、3番人気にはJRA重賞勝ち馬のナムラビクターが続いた。

 レースは、流石のスタートダッシュを決めたナムラビクターが飛び出し、直後にオヤコダカが付ける。ヘブンズゲート、ダノンアイガー、グランプリブラッドが中団を形成するなか、ナムラビクターは後続を大きく引き離し気持ち良く飛ばしていく。マイペースで2番手を進むオヤコダカだったが、後続はこの2頭からどんどん離されていく。これ以上離されてなるものかと、向こう正面でペースアップする長距離戦らしからぬ展開となった。3コーナーで馬群は一気に縮まり、オヤコダカがナムラビクターを交わして先頭へ躍り出る。後退していくナムラビクターの代わりに5番人気のヘブンズゲートが迫り来るが、凌ぎ切ったオヤコダカが先頭でゴールした。勝ち時計は2:08:8(良)、3/4馬身差の2着にはメンバー中上がり最速の脚で追い込んできたヘブンズゲートが入り、そこから3馬身差の3着に大井競馬から移籍してきたアートガウディで決着。グランプリブラッドは届かず4着、ナムラビクターは9着だった。

 今季からオヤコダカの手綱を握る石川倭騎手は、昨年まで同馬のライバル的存在だったフジノサムライとコンビを組んでおり、強さは熟知していた。「なんとか勝ちが欲しかったので、勝てて良かったです。真面目に走らない時もあるので、その点だけ注意しましたが、スタートから前の馬を追いかけていく素振りを見せてやる気十分でした。砂をかぶせたら力みも抜けていい感じで追走できましたが、早目に前の馬を捕まえたあとはさすがに脚が上がってしまいましたね。これからもこのレーススタイルは変えずに戦っていきたいと思います」と決意を新たにしていた。

 引退した原孝明調教師の管理馬だったオヤコダカ。バトンを託された米川昇調教師は「原先生の時と同じ厩務員さんが担当しているので安心して任せています。思ったようなレースができて良かった。これからに繋がる1勝だったと思っています」と安堵の表情を浮かべた。

 オヤコダカは新冠町の森永聡さんの生産馬で、父サムライハート、母オメガカリビアン、母の父フレンチデピュティ、近親にオークス馬ヌーヴォレコルトがいる血統。昨年の王冠賞(H2)優勝以降は古馬の壁に阻まれ惜敗が続いていたが、久々の快勝。前日ヒダカソウカップ(H3)を制したジュエルクイーン、2着のタイムビヨンドと同じ4歳世代で、これからのホッカイドウ競馬を牽引していく存在だ。