戸川牧場生産モーリスが香港チャンピオンズマイルを優勝
5月1日、香港のシャティン競馬場で行われたチャンピオンズマイル(G1)を、日本から遠征したモーリスが優勝した。
今年牡5歳となるモーリスは、父スクリーンヒーロー、母メジロフランシス、母の父カーネギーという血統で、2011年3月2日に日高町の戸川牧場で誕生。1歳時に北海道サマーセール、2歳時に北海道トレーニングセール上場を経てデビューに至った。2歳新馬戦から好時計で白星発進したが、本領発揮は古馬になってからで、4歳1月の若潮賞(1000万下)勝利を皮切りに快進撃を始め、安田記念(G1)、マイルチャンピオンシップ(G1)、香港マイル(G1)と並みいる強豪を次々と打ち破り、今年初戦となったチャンピオンズマイル(G1)も横綱相撲の競馬で完勝した。
チャンピオンズマイル(G1)を牧場で観戦していた戸川牧場の戸川洋二代表は、「強い内容だったと思います。直線で抜け出す時の脚色を見て、勝利を意識しました。古馬となって実力を増し、道中の折り合いを見ていても、精神的に大人になった印象です。本当に馬に感謝しています」と、喜びを語った。
レース後は戸川牧場へ地元の牧場関係者や日高町の佐藤則男副町長が駆けつけ、万歳で勝利を祝った。戸川牧場と同じく日高町豊田地区の牧場で、祝福に駆けつけた浜本牧場の濱本雅俊さんは、「モーリスの活躍で日高の馬にも、世界からもっと注目が集まって欲しい」と話し、同じく、万歳の輪に加わった厚賀軽種馬生産振興会の庄野宏志会長は、「地元の家族経営の牧場から、世界一になれる馬が誕生したことは誇り。多くの牧場に希望や刺激を与える勝利だと思います」と、笑顔を広げた。
現在、日高町役場では町内産馬モーリスの勝利を祝い、役場に掲示する優勝垂れ幕を準備している。また、5月24日に札幌競馬場で行われる北海道トレーニングセールでは、取引馬であるモーリスの写真を名簿の表紙やポスターに採用していた経緯があり、セール全体にとってもこの上なく箔が付く勝利となった。