北斗盃はスティールキングが3歳クラシック1冠目を制する
今シーズン開幕日の4月20日、門別競馬場では3歳クラシック第1弾、第40回北斗盃(H3)【ダンカーク賞】が行われた。距離はダート1600m、新設された内回りコースのナイター照明が使用される初の重賞競走となった。
ホッカイドウ競馬に残り、調整を続けていた4頭と、他場に移籍してキャリアを積んだ8頭の計12頭がエントリー。いずれも開幕日に合わせて盤石な体制を整えてきた。1.6倍の1番人気に推されたのは、2歳時から重賞路線を歩み、北海道2歳優駿(Jpn3)では勝ったタイニーダンサーにクビ差まで迫った生え抜きの実績馬、スティールキング。次いで昨シーズン終了後南関東・川崎競馬へ移籍していたアンビリーバボーが5.9倍、昨年の北海優駿馬と同じオーナー、調教師、騎手で挑むフジノパンサーが6.8倍で続いた。
レースはスタンド前から発走。内からジャストフォファンが先手を奪うと、同厩舎の1番人気スティールキングが後を追い、ティーズブラッド、アンビリーバボー、フジノパンサーらが横一線で1コーナーを周る。ここにトドイワガーデンも加わって先頭集団を形成、体制は変わらぬまま直線へ向かった。逃げ粘るジャストフォファンにスティールキングが襲いかかり、後続は大きく離されていく。残り100mでスティールキングが交わすと、ジャストフォファンに1馬身の差を付け、待望の重賞初勝利を飾った。勝ち時計は1:43:3(晴・良)2着のジャストフォファンから3着のキングニミッツの着差は6馬身差だった。
「嬉しい!やっと重賞を勝てた!」真っ先に喜びの声をあげたのは生産者であるユートピア牧場の山口正場長。昨年の鬱憤を晴らす鮮やかな差し切り勝ちに満面の笑みを浮かべていた。
昨年タイニーダンサーやリンダリンダなど自厩舎の牝馬で最多重賞勝利(6勝)を達成した桑村真明騎手は「キレる脚を持っている馬ではないですし、前で競馬をしたかったので位置取りは狙い通りでした。先に抜け出して1頭になってしまうと遊んでしまう面があり、2番手に付けてからは追い出しのタイミングにだけ気をつけて乗りました。今日は自厩舎の馬が前にいて、落ち着いてタイミングを計れましたし、この馬にとって理想的な展開でしたね」と喜びを語った。また、桑村騎手は翌日大井競馬場で行われた東京プリンセス賞(SI)でリンダリンダに騎乗し、2日連続地方重賞制覇という偉業を成し遂げた。
スティールキングは父シルバーチャーム、母グルカッシュ、母の父Machiavellianという血統の3歳牡馬。半兄に2012年の道営スプリント(H2)勝ち馬シャイニングアワーがいる。生産はライスシャワーの故郷として知られる登別市のユートピア牧場で、リンダリンダも同牧場の生産馬。