第1回北海道地区産地馬体検査が終了
4月15日、JRA日本中央競馬会による、第1回北海道地区の平成28年度産地馬体検査が、4日間の全日程を終了した。
最終日の会場となったのは、14日と同じ安平町早来富岡にある北海道ホルスタイン協会家畜市場。普段は文字通り、乳用牛や初生犢、肉用牛、めん山羊などのせりや共進会などを開催しているところだが、産地馬体検査のために胆振軽種馬農業協同組合がレンタル料を支払い、検査会場として使用している。
この日は、主に業界最大手の社台グループの牧場が生産した牝馬が受検。母や兄姉に重賞勝ち馬をもつ良血馬が、目白押しとなった。
報道陣の関心が集まったのは、2011年のジャパンカップ(G1)、2010年の天皇賞(秋)(G1)、ヴィクトリアマイル(G1)、2009年のオークス(Jpn1)、桜花賞(Jpn1)、2008年の阪神ジュベナイルフィリーズ(Jpn1)などを制し、JRA賞の2010年度代表馬、2010年、2011年最優秀4歳以上牝馬、2009年最優秀3歳牝馬、2008年最優秀2歳牝馬に輝いた、ブエナビスタの初仔となる、申請馬名コロナシオン(父キングカメハメハ)。ほかにも、2009年日本ダービー馬ロジユニヴァースの半妹となる、申請馬名オンリートゥモロー(父ディープインパクト)、1998年の阪神3歳牝馬ステークス(G1)勝ち馬スティンガーの産駒となる、申請馬名バーボネラ(牝、父ハービンジャー)、2011年の3冠馬オルフェーヴルの全妹にあたる申請馬名オルファン(父ステイゴールド)、2014年の桜花賞馬ハープスターの半妹にあたる申請馬名アスティル(父ステイゴールド)、ジェンティルドンナ、ドナウブルーの全妹にあたる申請馬名ベルダム(父ディープインパクト)、2008年のマイルチャンピオンシップ(G1)勝ち馬ブルーメンブラットの産駒となる、申請馬名ヴィルデローゼ(牝、父エンパイアメーカー)や、今年のクラシック戦線を賑わすサトノダイヤモンド、シンハライト、テンダリーヴォイスらの妹、2歳新種牡馬ディープブリランテ、ルーラーシップ、トーセンホマレボシ、タートルボウルの産駒、生涯成績14戦全勝、2歳世代が初年度産駒となる世界的名馬フランケルの産駒も姿を見せた。
長年、2歳馬取材に駆け回り、産地馬体検査にも精通する、競馬評論家の古谷剛彦さんは、「昨年から採血をやめたこと、また、昨年より頭数が少なかったので、とてもスムーズに検査が行われたと思います。育成牧場の方々も、初めての場所でも暴れないよう、いろいろ工夫されていましたね。お忙しいなか、撮影や取材に協力していただいた牧場関係者はじめ、JRA、日高軽種馬農業協同組合、胆振軽種馬農業協同組合、BTC、ジャパン・スタッドブック・インターナショナルの職員の方々に、心から感謝申し上げます。今回受検した馬すべてが、函館や札幌開催でデビューするとは限りません。それでも、第1回北海道地区の産地馬体検査からは、毎年、活躍馬が出ていますから、今年の受検馬からも、来年のクラシックホースが誕生することを期待したいですね」と4日間を振り返った。
JRAによる本年度の産地馬体検査は、今後、東北地区の検査が4月18日に岩手県の遠野馬の里で、九州地区の検査が6月7日に鹿児島県の日本軽種馬協会九州種馬場で、第2回北海道地区の検査が、6月14日に浦河町西舎の日高育成総合施設軽種馬育成調教場で、6月15日に新ひだか町静内の日本軽種馬協会北海道市場で行われる。