日本軽種馬協会2015年(第37期)生産育成技術者研修の修了式が行われる
3月26日、新ひだか町静内田原にある日本軽種馬協会静内種馬場研修所講義室において、2015年(第37期)生産育成技術者研修の修了式が行われた。
日本軽種馬協会では、わが国の競馬をいっそう発展させ、また、生産界の期待に応えうる生産育成技術者を養成するため、平成2年より生産育成技術者研修を実施している。その修了生は第37期生を含めて416名となる。研修修了生に対する業界内外からの評価は大変高く、就職率は100%を記録し、定着率も8割と高い水準にあり、競馬サークルに少なからず貢献を果たしている。
昨年4月に開講した第37期の研修には、北海道、宮城県、東京都、神奈川県、長野県、愛知県、京都府、愛媛県、高知県出身の、19歳から31歳までの11名(男性7名、女性4名)が受講。1年間に及ぶ厳しい研修に耐え抜き、この日、晴れて修了を迎えた。
修了式前に行われた騎乗供覧では、屋外馬場において、来賓や研修生の家族、受け入れ先の関係者を前に、研修で身につけた騎乗技術を披露。ホースマンとしてたくましく成長した姿で研修馬を見事に操った。
修了式で中西信吾場長は、37期生一人ひとりを労い、修了証書と記念品を贈呈。本部から駆けつけた西村啓二副会長常務理事は「昨年は香港の国際G1レースで、日本馬2頭が優勝するといううれしいニュースもあり、競馬産業や生産界を取り巻く経済状況も明るい兆しが見えるように思いますが、まだまだ楽観視できる状況ではございません。今後も競馬を盛り立てていくためには、多くのファンを引き付けるような強い競走馬を生産育成し、競馬の存在をより魅力的なものにしていくことがますます重要となっています。そのためには競走馬の生産育成に携わる皆様のような人材が不可欠となっています。本研修が高い評価を受けられるようになたのは、先輩方の努力の賜物です。皆様もプロとしてこの道を選択されたからには、自分を厳しく律し精進して生産育成界の担い手となることを期待しています。研修で学んだ知識や技術を余すところなく実践の場で発揮するよう心から願っています。また、研修生の受け入れ先の関係者におかれましては、意欲に満ちた青年たちに対して、温かいご指導、ご叱責をお願い申し上げます」と河野洋平会長理事の式辞を代読した。
来賓として出席した日高振興局の山本和人副局長は「先ほど、皆様の騎乗供覧を拝見しましたが、自信にあふれ力強さとたくましさを感じました。1年間の様々な試練を乗り越え、今日という日を迎えられたことに、心からお喜び申し上げます。この研修で習得した知識や技術、苦楽を共にした友人や教官の支えは、これからの人生を歩む上で宝といえます。更なる飛躍の糧として大切にしてください。皆様はこの研修所を巣立ち、それぞれの牧場へ就職されると聞いています。世界中で活躍するような競走馬を生産育成して、ホースマンとして大きく成長することを期待しています」。JRA日本中央競馬会日高育成牧場の平賀敦場長は「私はいろいろなところで講習をしてきましたが、工夫し続けている、勉強し続けている厩舎や牧場は良い成績を上げています。皆様も勉強し続けてください。そして、馬を取り扱う技術や知識、馬に対する愛情を持って、良いホースマンになってください」と祝辞を延べた。
37期生を代表して清水達仁さんは「この1年間あっという間でしたが、多くのことを学びとても中身の濃い1年でした。研修ではうまくいかず、やめたいと何度も思いましたが、先生方や仲間のおかげでこの日を迎えることができました。今日、私たちは研修所を離れ、牧場という新たなステージに立ちます。過酷な世界が待っていると承知していますが、ここで学んだことを生かして技術を高め、一流のホースマンとして生き抜いていきます」と謝辞した。