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ビッグレッドファームでアイルハヴアナザー初年度産駒の公開調教

  • 2016年02月22日
  • 坂路コースで行われた公開調教
    坂路コースで行われた公開調教
  • 柴田大知騎手を背に駆け抜けた母マイネカンナの2歳牡馬
    柴田大知騎手を背に駆け抜けた母マイネカンナの2歳牡馬
  • 丹内裕次騎手を背に駆け抜けた母マイネエストレヤの2歳牡馬
    丹内裕次騎手を背に駆け抜けた母マイネエストレヤの2歳牡馬
  • 松岡正海騎手を背に駆け抜けた母タイキシャインの2歳牡馬
    松岡正海騎手を背に駆け抜けた母タイキシャインの2歳牡馬
  • 公開調教前に種牡馬展示場で披露された
    公開調教前に種牡馬展示場で披露された

 新冠町のビッグレッドファームで繋養種牡馬アイルハヴアナザーの初年度産駒による公開調教が行われた。

 競走馬の生産から育成、種牡馬事業を手がける同牧場では、種牡馬展示会に合わせて繋養種牡馬のPRの一環として、初年度産駒の展示(当歳)や公開調教(2歳馬)を実施している。公開調教馬からは後のJRA重賞馬が多数飛び出しており、コスモヴァレンチ、マイネルハーティー、コスモプラチナ、ドリームシグナル、マイネイサベルはかつて公開調教馬として、デビュー前から注目を集めていた。

 今年、調教を披露する2歳馬の父アイルハヴアナザーは、2012年のケンタッキーダービー(G1)、プリークネスS(G1)の覇者で、故障のために米国クラシック3冠目のベルモントS(G1)には出走できなかったが、「幻の3冠馬」として底を見せぬまま引退した。その秀でた能力やサンデーサイレンス系とも配合しやすい血統背景を生かすべく、2013年より同牧場で供用を開始し、3年連続で120頭を超す繁殖牝馬を迎えている。

 今回、アイルハヴアナザーの種牡馬成功の期待を背負い、大役を果たすことになった2歳馬は母マイネカンナ(母の父アグネスタキオン)、母マイネエストレヤ(母の父スターオブコジーン)、母タイキシャイン(母の父タイキシャトル)の牡馬3頭。公開調教に先立ち、3頭は種牡馬展示会前に種牡馬展示場を歩き、その後、坂路コースへ移動した。その背には同牧場生産・育成馬と頻繁にコンビを組んでいるJRAの柴田大知、丹内祐次、松岡正海騎手がまたがった。

 公開調教はかつてG1馬コスモバルク、マイネルキッツらが鍛えられた屋根付き坂路コース(全長ダート1100m)で行われ、2歳馬3頭がそれぞれ古馬と併せて追われた。先陣を切って登場した母マイネカンナの牡馬は柴田大知騎手を背にマイネルピクトル(JRA・平地1勝、障害2勝)と併せ、最初の2ハロンを25.0秒で通過し、4ハロン51.3秒という好時計をマーク。次に登場した母マイネエストレヤの牡馬は丹内祐次騎手を背にマイネルヴェルス(JRA・2勝)と併せ、最初の2ハロンを25.7秒で入り、4ハロンは52.9秒。最後に登場した母タイキシャインの牡馬は松岡正海騎手を背に、新潟記念(G3)2着の実績があるマイネルミラノ(JRA・6勝)と豪華な併せ馬。最初の2ハロンを25.6秒で入り、4ハロン51.8秒をマークし、オープン馬を鮮やかに突き放した。3頭とも鞍上のゴーサインが出ると鋭く伸び、先着を許した併走馬は体重65kg前後の同牧場スタッフがまたがっていたことを差し引いても、春時期の2歳馬が堂々と古馬に対抗していく姿は、着差以上のインパクトを与えた。走破時計はこの時期としては出色で、同牧場スタッフの榎並健史さんからアナウンスされる度に、静かなどよめきが起こっていた。

 公開調教には種牡馬展示会に参加した生産者を中心に、育成牧場の経営者、JRA調教師の姿もあり、関心の高さを物語っていた。アイルハヴアナザーの初年度産駒は101頭が血統登録している。