馬産地ニュース

社台スタリオンパレード2016が開催

  • 2016年02月10日
  • 父の導入時より雄大な馬格を持ち合わせるキズナ
    父の導入時より雄大な馬格を持ち合わせるキズナ
  • 武豊騎手はキズナの父であるディープインパクトにも騎乗していた
    武豊騎手はキズナの父であるディープインパクトにも騎乗していた
  • 角居調教師からのエールを受けていたエピファネイア
    角居調教師からのエールを受けていたエピファネイア
  • 兄2頭とも種牡馬となっているスピルバーグ
    兄2頭とも種牡馬となっているスピルバーグ
  • 父譲りの活発な一面をみせたフェノーメノ
    父譲りの活発な一面をみせたフェノーメノ
  • 海外からも注目を集めるリアルインパクト
    海外からも注目を集めるリアルインパクト

 2月9日、安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬展示会が開催された。今年、生産地では最初の種牡馬展示会であり、そして、新種牡馬5頭全てがG1ホースという話題性もあり、約800人の生産関係者が会場に足を運んでいた。

 この日は繋養種牡馬27頭の展示が行われたが、まず姿を見せたのは5頭の新種牡馬たち。その先陣を切って厩舎から姿を見せたキズナ(牡6)は第80回日本ダービー(G1)の優勝馬。その他にもニエル賞(G2)、京都新聞杯(G2)など重賞5勝を含めて14戦7勝の成績を残した。

 展示の際には管理調教師だった佐々木晶三調教師がマイクを持ち、「最初に見た時から均整の取れた馬体をしており、その頃から凄いオーラを放っていました。こういった馬がダービー馬になるのではと思い、前田オーナーに報告したことを思い出します」と誕生間もない頃のキズナの思い出を語っていた。また、その際の展示には交通機関の遅れで間に合わなかったものの、2度目の周回展示ではラジオNIKKEI杯2歳S(G3)から引退レースとなった、昨年の天皇賞(春)(G1)までの12戦で鞍上を務めた武豊騎手が挨拶に立ち、「初めてキャンターで跨った時に、最もディープインパクトを彷彿とさせる乗り味をしていると思えたのがキズナでした。こういう馬はなかなかいないなとも思えた程です」とジョッキーとしての感覚から、キズナの魅力を語っていた。

 そのキズナとは同世代であり、キズナが勝ったダービー(G1)では半馬身差の2着。その後、菊花賞(G1)、ジャパンC(G1)を勝利したエピファネイア(牡6)が入れ替わるように姿を見せた。展示の際には管理調教師だった角居勝彦調教師が挨拶に立ち、「母(シーザリオ)も管理していたように、縁のある血統馬でありました。雄大な馬体から繰り出される走りは、見た目のスケール以上の能力を持ち合わせていたと思います」とセールスポイントを口にしていた。キズナ、エピファネイア共に種付料は250万円(受胎確認後)ながら、既に申し込みは満口。競走馬としてだけでなく、種牡馬としてもライバル関係は続いていきそうだ。

 初の重賞制覇が天皇賞(秋)(G1)となったスピルバーグ(牡7)は、半兄のFlower Alley、全兄弟のトーセンラー(牡8)共にG1勝ち、そして種牡馬入りを果たしている。展示の際には藤沢和雄調教師が挨拶に立ち、「芝の中距離で素晴らしい足を使ってくれた馬です。子供たちから活躍馬を送り出したいとも思っていますので、応援をよろしくお願いします」と語っていた。種付料は150万円(受胎確認後)となっている。

 天皇賞(春)(G1)連覇など重賞5勝をあげたフェノーメノ(牡7)は、デビューからの18戦で全て芝2000m以上の条件を使われてきた、芝中長距離のスペシャリスト。第79回の日本ダービー(G1)では、先に社台スタリオンステーションで種牡馬入りを果たしているディープブリランテ(牡7)とハナ差の接戦も繰り広げている。父は昨年に亡くなったステイゴールドであり、同スタリオンで繋養されているドリームジャーニー(牡12)、オルフェーヴル(牡8)と共に、この父系を広げていきそうだ。

 グレード制が導入されてからの安田記念(G1)では、3歳馬として初めて優勝。また、7歳時には初の海外遠征となったジョージライダーS(G1)でG1 2勝目をあげるなど、芝の短距離重賞戦線で息長く活躍を続けたリアルインパクト(牡8)も、父ディープインパクトが繋養されている、社台スタリオンステーションでの種牡馬入りを果たした。ディープインパクトの後継種牡馬というだけでなく、ジョージライダーS(G1)での勝利も高く評価されており、オーストラリアからはシャトルスタリオンとしての声もかかっているとの情報も、展示の際にはもたらされた。フェノーメノ、リアルインパクト共に、種付料は80万円(受胎確認後)となっている。

 その後は昨年スタッドインし、今年、初年度産駒を誕生させるジャスタウェイ(牡7)とベルシャザール(牡8)、来年、初年度産駒がデビューを迎えるオルフェーヴル、ロードカナロア(牡8)とカテゴリー別に展示が行われていく。まさに日本生産界の核が集まっている豪華な展示会のトリを飾ったのは、4年連続でのリーディングサイアーとなったディープインパクト(牡14)。今年は既に満口となっているものの、過去最高の3,000万円という種付料が設定されている。この3,000万円という種付料は、父サンデーサイレンスがキャリアハイだった頃と同じ設定ともなった。

 この後の種牡馬展示会だが、12日には浦河町のイーストスタッドで開催。22日の新冠町の優駿スタリオンステーションまで、8つのスタリオンで順次開催されていく(日高町のダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックスでは、15日から17日までの3日間、オープンハウスという形での種牡馬展示が行われる)。