馬産地ニュース

ゴールドシップがビッグレッドファームにスタッドイン

  • 2016年01月07日
  • 雪が降る中を馬運車から降りてきた
    雪が降る中を馬運車から降りてきた
  • 報道陣の前でも元気な姿を見せる
    報道陣の前でも元気な姿を見せる
  • 厩舎の前でポーズを決める
    厩舎の前でポーズを決める
  • めんこを外し素顔となり、つぶらな瞳で周囲を見渡した
    めんこを外し素顔となり、つぶらな瞳で周囲を見渡した

 昨年の有馬記念(G1)(8着)の後に競走馬登録を抹消したゴールドシップ(牡7、父ステイゴールド、母ポイントフラッグ)が、6日の午前8時、種牡馬としての繋養先となるビッグレッドファーム明和に到着した。

 ゴールドシップは09年の3月6日に日高町の出口牧場で誕生。2歳時のメイクデビュー函館において、芝1800mの2歳レコードで勝利する。その年は重賞未勝利だったものの、札幌2歳S(G3)とラジオNIKKEI杯2歳S(G3)で2着となると、3歳初戦となる共同通信杯(G3)で重賞初制覇。クラシック一冠目となる皐月賞(G1)では、インコースから鋭く伸びてG1初制覇を飾る。日本ダービー(G1)こそ5着に敗れたが、夏の調整を挟んで出走した神戸新聞杯(G2)を勝利。1番人気の支持を集めた菊花賞(G1)を勝利してクラシック2冠目をあげると、古馬との初対戦となった有馬記念(G1)も勝利し、この年の最優秀3歳牡馬に選出される。

 史上初の宝塚記念(G1)連覇を飾ったのは4歳時と5歳時。その5歳時には凱旋門賞(G1)にも出走(14着)を果たしている。6歳時にも天皇賞(春)(G1)を優勝し4年連続でのG1制覇をあげると共に、芦毛馬の中央G1最多勝利、最多獲得賞金額の記録を更新した。

 卓越した競走成績だけでなく、そのやんちゃな気性からの個性的なレーススタイルもあって、多くの競馬ファンから愛されたゴールドシップは、その人気を物語るかのように、引退レースとなった昨年の有馬記念でも12万981票ものファン投票を集めた。レースの後に行われた引退式でも中山競馬場には多くのファンが残り、近年を代表する芦毛の名馬との別れを惜しんでいた。

 競走馬登録を抹消後は、ビッグレッドファーム鉾田トレーニングセンターで管理されていたゴールドシップは、この日の早朝に北海道に移動。雪のそぼ降る中を馬運車と共に、スタリオン施設のあるビッグレッドファーム明和に到着した。

 馬運車に乗り込んだ種牡馬スタッフに引かれながら、新天地の第一歩を踏んだゴールドシップは、輸送の疲れも感じさせず厩舎へと移動。途中、放牧されていた種牡馬の先輩からのいななきにも動じることなく、取材陣の要望に応じる形で撮影に臨むと、充分な広さのある馬房へと入っていった。

 取材陣、スタリオン関係者と共に、その姿を見届けた中に、出口牧場の代表である出口俊一代表の姿もあった。馬運車から降りてくる姿を見守った出口代表は、「種牡馬となれる馬を送り出せたのは感無量です。現役時には色々なレースを見に行きましたが、メイクデビューでの姿が最も印象に残っています。牧場の牝馬にも率先して配合を考えていますが、その競走能力だけでなく、ゴールドシップのように息長く競馬をしてくれる馬を送り出したいです」と話していた。総額9億8000万円で組まれたシンジケートは即日満口となり、種付料も受胎条件で300万円の条件が設定されたが、既に多くの配合申し込みが事務局であるビッグレッドファームへと届いている。

 「シンジケートの会員と共にサポートしながら、種牡馬として成功させたいと思っています。ステイゴールドは当スタリオンでも繋養していた時期があり、種牡馬としてのポテンシャルの高さは十分に理解していますし、また後継種牡馬たちも結果を残しているのを見る度に、改めてゴールドシップへの期待を膨らませています。ファンも多かった馬ですし、その期待に応えるような産駒を送り出してもらいたいですね」とはビッグレッドファームの岡田紘和氏。牧場で繋養される良質の繁殖牝馬との配合が多く望めるだけでなく、育成調教にも評判のあるビッグレッドファームのサポートを受けることは、種牡馬ゴールドシップにとって、最高の追い風と言えそうだ。待望の初年度産駒は19年にデビューを予定している。