浦河町で「BTC育成調教技術養成研修OB・OG浦河会」の懇親会が開かれる
12月2日、浦河町でBTC育成調教技術養成研修を修了したOB・OG浦河会の懇親会が行われた。
BTC育成調教技術養成研修では、毎年春に馬の世界を目指す若者が浦河・BTC研修施設に入り、一年間の研修を通して調教技術や馬の健康管理、一般馬学、草地管理などを学ぶ。馬に触ったことのない初心者からでも、経験豊富な教官・教育馬による訓練や、乗馬シミュレーターなどの施設、BTCらしい広い馬場といった環境を生かして、牧場に求められる人材が続々と育っている。12月10日には、過去にBTC研修を修了した青木孝文さん(第17期修了生)が平成28年度JRA調教師免許試験(新規)に合格し、修了生から初のJRA調教師が誕生している。
この懇親会は浦河で働くBTC研修・修了生が集い、お互いの近況や仕事のやりがい、強い馬づくりに求められる技術、職場の人間関係の悩みなどを相談し合える場として機能している。特に、BTC研修生は北海道外出身者が多く、周囲に身寄りや友人が少ない状況下で就職することになるため、同じ門をくぐった者同士の交流は、一つの安堵をもたらしている。参加者からは、「修了生同士、調教施設ですれ違ったり、挨拶を交わしたりすることはあっても、じっくり話せる機会はなかった。幅広い世代が集まるし、本当に貴重な機会です」。「こうして一堂に会する場がなかったので、毎回楽しみにしています。それぞれの目線で強い馬づくりの話ができて、刺激になります」といった声が上がっていた。
会場のうらかわ優駿ビレッジAERUは和やかなムードに包まれ、参加者が揃うと、これまで会の立ち上げ・運営に尽力した浦河会の笹島智則会長(第27期修了生)がマイクを握り、「研修を修了した後も、長くこの業界で働いていけることを目的に懇親会を開いています。様々な先輩・後輩が集まり、つながりを持てれば就職後の助け合いもしやすい。この機会に、そのキッカケを掴んで欲しいです」と、挨拶した。続いて、山﨑考司さん(第20期修了生)が紹介され、次期会長として抱負を語った。
今回の懇親会は現役の研修生(第33期)17名を含む68名が集まり、浦河町の池田拓町長や大平俊明BTC理事長も出席した。乾杯のあとは北海道産食材を使ったジンギスカンを楽しみながら、参加者は思い思いに卓をめぐり、会話を弾ませていた。お互い、毎日朝早くから気力・体力を使う仕事、高い技術を要する仕事に努めている若者として、分かち合える部分は多い様子だった。
現役研修生は先輩の輪に入って少し緊張気味だったが、次第に打ち解けて色々な質問をする姿が目立った。兵庫県出身の研修生、田村鴻太さんは、「先輩たちと話ができて、とても勉強になりました。これから馬の仕事をしていく上で、イメージできなかったことも少なくなく、現実的な話を聞けました。就職活動に生かしていきたいと思います。社会人になってからも、この懇親会に参加したいです」と、感想を話していた。
笹島会長は懇親会を振り返って、「懇親会は今回で4回目となり、会自体が定着し、会の主旨についての参加者の理解も深まってきたと思います。以前より顔見知りの参加者が増えて、会の雰囲気も和らいできました。運営にあたっては電話やLINEなどで連絡を取り合い、ここまで立ち上げていくまでに大変な部分はありました。BTCの皆さんにはご協力いただき、感謝しています。浦河以外の地域にもBTC研修や、JBBAの研修を修了した方々が働いています。将来的にはそうした方々にとっての機会も、是非作られて欲しいと思います」と、話していた。