カレンブラックヒルが優駿スタリオンステーションに到着
2012年のNHKマイルカップ(G1)の覇者カレンブラックヒル(牡6歳)が競走生活を引退し、新冠町の優駿スタリオンステーションに種牡馬入りした。
カレンブラックヒルは父ダイワメジャー、母チャールストンハーバー、母の父Grindstoneという血統。2代母は伊1000ギニー(G2)3着馬で、3代母は仏オークス(G1)、ヴェルメイユ賞(G1)を制している。半弟のレッドアルヴィスはユニコーンS(G3)を勝ち、全弟モーゼスは1歳時、セレクトセールで1億800万円(税込)の高値がつき、今秋のメイクデビュー東京で先頭ゴールを果たしている。
2009年にノーザンファームで生まれ、当歳時にセレクトセール上場馬となり、3,570万円(税込)で「カレン」の冠名で知られる鈴木隆司氏が落札した。栗東・平田修厩舎からデビューし、3歳1月のデビュー戦を白星発進すると、トントン拍子でこぶし賞(500万)、ニュージーランドトロフィー(G2)と勝ち進み、迎えたNHKマイルカップ(G1)では1番人気に応えて堂々逃げ切った。
休養を挟んで3歳秋は毎日王冠(G2)から始動し、先行策から叩き合いを制して5連勝。後にG1を制すジャスタウェイやダノンシャーク、すでに大きなタイトルを獲得していたエイシンフラッシュ、エイシンアポロン、グランプリボス、リアルインパクトといったそうそうたる顔ぶれを破った。
続く天皇賞(秋)(G1)では初めて土がついたが、不安視された2000m戦ながら、勝ち馬エイシンフラッシュから0.4秒差に踏ん張った。4歳時はやや精彩を欠くレースが続いたが、G1馬の底力を示すように5歳時にはダービー卿チャレンジトロフィー(G3)を、6歳時には小倉大賞典(G3)を制し、22戦7勝の成績で引退した。
種牡馬生活を送る優駿スタリオンステーションには11月28日の朝に到着し、馬運車から降りると、出迎えた(株)優駿の役員、職員らが立ち姿や歩様をチェックした。馬自身は初めての場所ながら落ち着きがあり、表情には余裕を感じさせた。ほどなく、スタッフの手に導かれて、ヘニーヒューズの向かいの馬房に入った。
優駿スタリオンステーションの山崎努主任は、「輸送後も元気で安堵しています。すごく落ち着いていますね。間近で対面してみると、G1馬らしい優れた体型を感じます。しっかりした後肢も強調したいですね。競走馬としてはやはり連戦連勝していた頃の印象が強いです。実績あるダイワメジャーの後継として魅力に満ちています。父譲りの高い能力を受け継ぎ、芝のマイル~中距離を得意とする産駒を期待できるでしょう」と、抱負を語っていた。