馬産地ニュース

2015年度軽種馬後継者研修開講式が行われる

  • 2015年11月10日
  • 日本軽種馬協会静内種馬場事務所2階で行われた開講式
    日本軽種馬協会静内種馬場事務所2階で行われた開講式
  • 種牡馬や施設を見学する研修生
    種牡馬や施設を見学する研修生
  • JRA日高育成牧場の冨成雅尚専門役の講義
    JRA日高育成牧場の冨成雅尚専門役の講義

 11月9日、日本軽種馬協会は新ひだか町静内にある静内種馬場において、2015年度軽種馬後継者研修の開講式を行った。

 この研修は、わが国の競馬をいっそう発展させるとともに、生産界の期待に応え得る後継者やスタッドマネージャーを養成するためのもの。JRA日本中央競馬会の助成を得て、平成4年から開講している。今年で24年の歴史を誇り、これまでに212名の修了生を送り出している。

 今年度の研修は11月9日から20日までの土曜・日曜を除く10日間。研修には日高管内の二つの牧場から5名が入講した。開講式では研修生が紹介された後、中西信吾場長が「わが国は平成19年から国際的に認められたパートⅠの競馬国となり、名実ともに競馬先進国としての仲間入りを果たし、近年では日本産馬が、海外の競馬で活躍するような時代になりました。一方、軽種馬生産界では1歳馬のすべてのせり市場において前年を超える総売り上げを記録しました。生産者の皆様が強い馬づくりを目指して日々努力し研鑽を積んだ結果とおもいます。しかし、このような流れはまだまだ確かなものではなく、依然として軽種馬生産界を取り巻く環境は厳しいといえます。この状況を打開するためにも強い馬づくりがますます重要であり、この研修を受講される皆さまのような意欲的な方が、優れた技術を身につけていくことが不可欠です。皆さまが本日から受ける研修内容は多岐にわたっており、馬の飼養管理や繁殖に関する幅広い知識などを最先端の講師にお願いしてわかりやすく研修していただきます。研修中は健康に留意され、ホースマンとしての研鑽に努め、そして、現在厳しい状況にある生産界に新たな活力をもたらす原動力になってください」と河野洋平会長理事の式辞を代読した。

 開講式終了後は中西信吾場長が日本軽種馬協会の概要や事業を説明。続いて、静内種馬場に繋養されているバゴ、ケイムホーム、アルデバラン、ケープブランコなどを見学しながら馬の見方や種牡馬を見ることの重要性などをレクチャー。研修所に場所を移してからは、生産育成技術者研修の第36期生とともに初日の講義を受けた。

 本年度の研修カリキュラムは下記の通り。
11月9日:「繁殖牝馬・当歳馬の管理について」講師:JRA日高育成牧場(冨成雅尚専門役)
11月10日:「草地・土壌について」講師:日高農業改良普及センター(川田恒氏)、乗馬
11月11日:「馬の初期馴致について」講師:JRA日高育成牧場(秋山健太郎業務課長)、乗馬
11月12日:「馬の栄養・飼料について」講師:JRA日高育成牧場生産育成研究室(村瀬晴崇氏)、乗馬
11月13日:「馬の見分け方について」講師:JRA日高育成牧場(石丸睦樹副場長)、乗馬
11月16日:「日本の馬産を考える」講師:(岡田繁幸氏)、乗馬
11月17日:「JRA調教師との談話会」講師:日本調教師会関東本部(牧光二調教師)、乗馬
11月18日:「馬の疾病について」講師:軽種馬生産技術総合研修センター(仙波裕之次長)、乗馬
11月19日:「蹄の管理について」講師:軽種馬生産技術総合研修センター(田中弘祐調査役)、乗馬
11月20日:「牧場での仕事と腰痛について」講師:札幌西岡第一病院(山本泰雄氏)