馬産地ニュース

北海道2歳優駿はタイニーダンサーが2歳馬の頂点に

  • 2015年11月09日
  • 2歳女王のタイニーダンサーが2歳馬の頂点に立った
    2歳女王のタイニーダンサーが2歳馬の頂点に立った
  • 激戦の後でも元気一杯
    激戦の後でも元気一杯
  • 牧場スタッフも大勢駆けつけ喜びを分かち合った
    牧場スタッフも大勢駆けつけ喜びを分かち合った
  • カメラにサインする桑村騎手
    カメラにサインする桑村騎手
  • 表彰を受ける関係者の皆さん
    表彰を受ける関係者の皆さん

   ホッカイドウ競馬2歳重賞の最終戦であり、最高峰でもある交流重賞、道新スポーツ杯・第42回北海道2歳優駿(Jpn3)が11月5日、門別競馬場ダート1800mで行われた。

   今年の出走メンバーはJRA所属馬4頭、道営所属馬6頭の10頭。人気を集めたのはJRA勢。1番人気は、新馬、プラタナス賞を連勝してここに挑んできたベーカバド産駒のエネスク。プラタナス賞2着馬でワイルドラッシュ産駒のナンヨーファミユが2番人気となり、ディープスカイ産駒のキョウエイギアが3番人気。迎え撃つ道営所属馬はサンライズカップ勝ち馬のタービランスが4番人気、紅一点のエーデルワイス賞(Jpn3)勝ち馬タイニーダンサーが5番人気の支持を受けた。

   スタンド前からの発走、サハラファイターが後手を踏み後方から。最内枠からスティールキングが飛び出し、タービランスが後を追うも、外からタイニーダンサーが制し1コーナーへ殺到。そのままタイニーダンサーが引っ張るのかと思いきや、向こう正面へかかる頃には進出を開始したエネスク、キョウエイギアが先頭へ、直線に向くとスティールキングも加わり、3頭の叩き合いとなった。先に抜け出したのはスティールキング。しかし、好位で3頭の攻防を見ていたタイニーダンサーが外から一気に差し切り、交流重賞2連勝を飾った。

   勝ち時計は1:55:7(稍重)クビ差の2着にはスティールキングが入り、道営所属馬&角川厩舎のワンツーフィニッシュ。2馬身差の3着に1番人気のエネスクという結果だった。

   エーデルワイス賞(Jpn3)、北海道2歳優駿(Jpn3)の2歳交流重賞制覇は、2001年のフェスティバル以来14年ぶり。地方所属馬としては初の快挙。このフェスティバルもまた、タイニーダンサーの故郷グランド牧場の生産馬だ。

   ホッカイドウ競馬史上初の偉業を成し遂げた桑村真明騎手は「1800mという距離に対しての不安は多少ありましたが、無理に抑えるよりも馬の行く気に任せてリズム良く走らせることを重要視しました。馬も落ち着いていましたし、直線は弾けてくれるだろうという手応えもありました。まだまだ強くなると思います」と晴れやかな笑顔で話した。

   レース前「出走させるからにはワンツーフィニッシュを狙いたい」と公言していた角川秀樹調教師は、開口一番「出来過ぎだね!」と満面の笑み。「出走間隔は詰まっていたけど、良い状態で出走できれば勝ち負けできるという自信はありました。今日は騎手も上手く乗ってくれたし、かかることなくレースが運べて好判断でした。この後はJRAへ移籍予定だったんですが、今日のパフォーマンスを見て、オーナーさんも再協議されるそうです」と明かした。

   タイニーダンサーは父サウスヴィグラス、母キハク、母の父アサティスという血統の2歳牝馬で、新ひだか町静内にあるグランド牧場のオーナーブリーディングホース。

   移籍の有無は白紙に戻ったが「どこへいっても力を発揮してくれるはず」と桑村騎手は太鼓判を押す。これからも彼女の活躍から目が離せない。