胆振獣医師会が産業動物(馬)講習会
10月30日、胆振獣医師会(田中秀俊会長)は胆振獣医師会馬部会(田上正明会長)主催による平成27年度産業動物(馬)講習会を、苫小牧市にある日胆農業会館3F会議室で開催した。
講習会は回を重ね今年で18回目。今回は「若齢サラブレッドの発育期整形外科疾患(DOD)と栄養」をテーマに、JRA日本中央競馬会競走馬総合研究所運動科学研究室の松井朗研究役らを講師に招いた。当日は同獣医師会馬部会の会員、日高軽種馬農業協同組合、日高地区農業共済組合、JBBA日本軽種馬協会、JRA日高育成牧場の獣医師、北海道日高装蹄師会会員の装蹄師など120名が出席し、会場に用意された席はすべて埋まるほどの注目を集めた。
講習会の開催にあたり同獣医師会の田中秀俊会長は「講習会を今年で18回目を数えることができたのは、本日ここにいる皆様のご協力、ご理解、ご支援の賜物と感謝申し上げます。長時間ではございますが、帰るときには皆様にとって実りある講習会になることを祈念申し上げます」とあいさつ。同獣医師会馬部会の田上正明会長は「本日は遠方より120名を越える方々に出席していただき感謝申し上げます。講習会では毎年、臨床の先生方が明日から役立つことをテーマに選んでいます。2004年に初めてDODについて開催しましたが、それから10年経ってDODを取り巻く環境がどのようになったかと企画しました。松井先生をはじめとした講師の方の講演を楽しみにしています。出席者の方からは自由な形でいろいろな質問やご意見をお聞かせいただければと思います」と呼びかけた。
講習会では最初に田上正明部長が「若齢サラブレッドのDODに関する一考察」と題して、DODの歴史、原因、DODの増減などについて説明。続いて松井朗研究役が「若馬の栄養管理」について、サラブレッドの発育速度、育成期のエネルギー要求量などをグラフや表で示してレクチャーした。
講習会の演題は下記の通り。
●講演
「若齢サラブレッドのDODに関する一考察」(講師:社台ホースクリニック田上正明所長)
「若馬の栄養管理」(講師:日本中央競馬会競走馬総合研究所運動科学研究室松井朗研究役)
●パネルディスカッション 「若齢サラブレッドの発育期整形外科疾患(DOD)と栄養」
座長:田上正明氏(社台ホースクリニック所長)、加藤史樹氏(社台ホースクリニック)、パネラー:松井朗氏(JRA)、佐藤文夫氏(JRA)、服巻滋之氏(服巻ファームクリニック)、横山大介氏(社台ファーム)、松村圭氏(ノースヒルズ)
●ランチョンセミナー 「韓国・済州島(Jeju)見聞」(講師:社台ホースクリニック田上正明所長)
●講演
「馬の防疫および地方競馬の現状について」(講師:全国公営競馬獣医師会上田毅氏)
「幼駒の放牧管理と種子骨障害」、「ウォブラー症候群の画像診断について」(講師:日本中央競馬会日高育成牧場生産育成研究室佐藤文夫研究役)
「胆振地方のサラブレッド生産牧場における過去10年間のウォブラー症候群症例に対する疫学的調査」(講師:社台ホースクリニック山家崇史氏)
「若齢サラブレッドの肢軸異常(Angular Limb Deformity)」(講師:社台ホースクリニック加藤史樹氏)
●総合討論