馬産地ニュース

北海道農協軽種馬対策委員会が研修会

  • 2015年10月27日
  • 講師を務めた札幌大学の岩崎徹名誉教授
    講師を務めた札幌大学の岩崎徹名誉教授
  • 主催者を代表してあいさつする北海道農協軽種馬対策委員会の谷川利昭副委員長(ひだか東農業協同組合代表理事組合長)
    主催者を代表してあいさつする北海道農協軽種馬対策委員会の谷川利昭副委員長(ひだか東農業協同組合代表理事組合長)
  • 約50名が出席した研修会
    約50名が出席した研修会

 10月27日、北海道農協軽種馬対策委員会は、新ひだか町静内にある静内エクリプスホテル2階サンシティにおいて、札幌大学の岩崎徹名誉教授を講師に招き、「これからの馬産地を考える」と題した研修会を開催した。

 研修会には日高管内の各農業協同組合の代表理事組合長や職員、関係団体の職員、牧場関係者など約50名が出席。会の開催にあたり主催者を代表して同委員会の副委員長であるひだか東農業協同組合の谷川利昭代表理事組合長は「本日はお忙しいなかご出席していただきありがとうございます。また、岩崎先生におかれましては、わざわざ札幌からお越しいただき感謝申し上げます。皆様ご存知とは思いますが、岩崎先生は30数年間に渡って軽種馬生産者の経営について学者として分析され、長い間生産者を外から見守ってきた方です。また、JRAの経営委員会の委員という要職を務め上げられた方でもあります。本日のテーマはこれからの馬産地を考えるという、われわれにとっても非常に難しい舵取りを迫られている現状ですが、先生の話のなかから何か享受できるのではと楽しみにしています」とあいさつした。

 講師の岩崎徹名誉教授は神奈川県横浜市の出身。1967年3月に東京農工大学農学部を卒業し、1976年3月に東北大学大学院農学研究科博士課程修了し農学博士となった。その後、札幌大学経済学部講師、同学部教授、同大学経済学部長、同大学経済学研究科長、北海道農業研究会会長、北海道地域農業研究所理事などを歴任。主著も多く、2006年に出版した「馬産地80話 日高から見た日本競馬」では、困難な局面にある北海道の馬産地の過去と現状を踏まえての提言が高く評価され、2006年度JRA賞馬事文化賞を受賞している。2008年から2013年には、JRAの最高意思決定機関である経営委員会の委員として活躍。生産地の代表という立場からJRAの運営に携わった。

 講演の中で岩崎名誉教授は、6年間のJRA経営委員会の経験から感じたJRAの課題や良さ、競馬と日本競馬の特質、日本の馬産地の特徴とこれから、これからの馬産地日高・胆振を考える、など項目ごとに持論を説明。「日本競馬の長期的なグランドデザインを馬産地がまとまってつくることが大事。家族経営が自己完結的に軽種馬経営を行える時代は終わった。何ができるかは馬産地で考えていくべき」とエールを送った。

 同委員会の副委員長である日高軽種馬農業協同組合の木村貢代表理事組合長は「岩崎先生にはわれわれが考えなければいけないことを整頓して指摘していただきました。今日の話は生産地の今後の指針になると感じています」と締めの言葉を述べた。