胆振地区生産育成技術講座2015が行われる
10月22日夜、胆振軽種馬農業協同組合(高橋秀昌代表理事組合長)と同青年部(上水厚部長)は共催で、JRA日高育成牧場生産育成研究室の羽田哲朗室長を講師に招き、胆振地区生産育成技術講座2015を苫小牧市表町のグランドホテルニュー王子3階グランドホールで開催した。
当日は胆振地区のみならず、浦河町、日高町、平取町の牧場スタッフや関係団体職員、JRA生産地研修生など約200名が出席。満員御礼となった会場で同青年部の上水厚部長は「本日は胆振地区生産育成技術講座2015に多数のご出席いただきありがとうございます。また、講師の羽田先生におかれましては業務ご多忙のなか、遠く浦河より足を運んでいただき心から感謝申し上げます。昨年11月に青年部のグループ研修でJRA日高育成牧場にお邪魔した際、羽田先生には非常に興味深い内容の講義をしていただきました。参加したメンバーからはもっと詳しく聞いてみたいといった声もあり、昨年参加できなかった方々のためにも、改めてしっかり勉強したいと考えています。有意義な会になるよう祈念します」と、主催者を代表してあいさつした。
講師の羽田室長は京都出身。大阪府立大学農学部獣医学科卒業後の平成6年4月にJRA日本中央競馬会に入会。競走馬総合研究所運動生理学研究室(現運動科学研究室)に勤務し、その後、日高育成牧場生産育成研究室、美浦トレーニングセンター競走馬診療所、函館競馬場競走馬診療所長、栗東トレーニングセンター競走馬診療所臨床獣医役を経て、平成26年3月から日高育成牧場生産育成研究室長として活躍している。
「育成馬と運動~科学的に放牧と調教を考える~」を演題にした講演のなかで羽田室長は、よい競走馬を育てるためには、「馬の素質の高さ」+「飼養環境が良い、調教方法が優秀」に加え、「管理者が馬のことを良く知っていることが重要」と持論を展開。放牧中の育成馬にGPSデータロガーを装着して運動量、移動範囲、運動時間を知る方法、運動中の速度と心拍数との関係から算出する指標、運動後の回復期心拍数から算出指標、運動後の血中乳酸濃度を用いた数値など、運動にフォーカスして育成期の若馬のことをよく知る科学的な方法を、スライドや動画、独自で開発した解析ソフトなどを駆使して紹介した。