東京競馬場で「BOKUJOB2015メインフェア」開催
東京競馬場で10月17日、18日の2日間、「BOKUJOB2015メインフェア」が行われ、牧場で働くことを考えている若者と保護者ら313名が会場を訪れた。
フェアを運営するのは競走馬育成協会、日本軽種馬協会、日本競走馬協会、軽種馬育成調教センター、日本中央競馬会の5団体により構成される牧場就業促進事務局で、同局ではウェブサイト「BOKUJOB」を通じて牧場就業に関する情報を発信したり、競馬場でフェアや牧場で仕事体験会を実施したりしている。
東京競馬場でのメインフェアは従来夏休み期間に開催していたが、一連の経緯や就職活動時期の変動などを受け、今年は秋競馬でにぎわう東京競馬開催期間中に日程を組み、会場も屋内から屋外の正門横特設会場へ移動した。
会場内には出展牧場の一覧を掲載した大きなボードを入り口とし、参加者は受付を済ませると、事務局メンバーの案内を頼りに興味のある出展牧場ブースへ進み、牧場の人事担当者から説明を聞いた。出展牧場は日高・胆振の生産・育成牧場や美浦・栗東トレーニングセンター近郊の育成牧場で、中・大規模の牧場が大半を占めた。それぞれ、独自のパンフレットを見せたり、タブレットで写真・動画を映し出したりして、牧場の概要・雰囲気、仕事の内容を説明し、参加者の質問に丁寧に応じていた。参加者は初めての方もいれば、2回目の方もいて、女性の姿も目立った。参加後は「牧場で働きたいという気持ちが強くなった」、「牧場について知らないことが多く、就職活動に役立った」といった声が聞かれ、複数のブースを熱心にまわる学生も少なくなかった。
フェア会場の中心部以外に目を向けると、出展牧場以外のブースとして、JBBAとBTCの研修を紹介するコーナーや進路相談コーナー、日本装蹄師会コーナー(17日のみ)、競走馬のふるさと案内所・青年部相談コーナーが脇を固めるように並び、特に研修コーナーは常に席が埋まるほどだった。牧場が求人を出すにあたって、研修修了生を歓迎しているケースは多く、出展牧場の中からは「初心者から基本技術を学べるJBBAやBTC研修を経て、就職という道もある」という助言も添えられていた。
また、お昼休みには東京競馬場ターフビジョンにBOKUJOBのCMが流れ、千代田牧場の飯田正剛氏、下河辺牧場の下河辺行雄氏、松風馬事センターの根本昌実氏がスタンド前ステージに立ってトークショーを実施。牧場が日々目指していること、仕事の醍醐味・難しさを語り、「BOKUJOBの活動を通じて、今後も業界を盛り上げていきたい」、「仕事は良いことばかりではないが、努力の先にある感動はとても大きい」と、PRに尽力していた。
近年、若者の労働条件を最重視する傾向やライフスタイルの変化、少子化の影響などを背景に、牧場は人材不足が続いており、BOKUJOBの取り組みに期待を寄せる牧場関係者は多い。今回のフェアを経て、一人でも多くの若者が牧場の扉を叩くことが望まれる。