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キズナが社台スタリオンステーションにスタッドイン

  • 2015年10月13日
  • 社台スタリオンステーションにスタッドインしたキズナ
    社台スタリオンステーションにスタッドインしたキズナ
  • 産駒には父子三代ダービー制覇の夢がかかる
    産駒には父子三代ダービー制覇の夢がかかる
  • さっそく馬房でリラックスする第80代日本ダービー馬
    さっそく馬房でリラックスする第80代日本ダービー馬

   10月10日午後3時40分、安平町早来にある社台スタリオンステーションに、来年から種牡馬生活に入るキズナ(牡5歳)がスタッドインした。9月24日付で競走馬登録を抹消したキズナは、休養していた鳥取県西伯郡の大山ヒルズから1650kmの道程を馬運車に揺られて到着。出迎えたノースヒルズの福田洋志ゼネラルマネージャーや種馬場関係者、報道陣に元気な姿を見せた。

   キズナは父ディープインパクト、母キャットクイル、母の父ストームキャットという新冠町のノースヒルズ生産馬。15歳上の半姉には1998年の桜花賞(G1)、秋華賞(G1)、2000年のエリザベス女王杯(G1)などを制したファレノプシス、11歳上の半兄には2002年のピーターパンS(G2)を制したサンデーブレイクがいる。

   キズナの競走成績は14戦7勝。2012年10月の2歳新馬戦でデビュー勝ちを収めると、続く黄菊賞も連勝。エリート街道に乗った。3歳になり2013年の毎日杯(G3)で重賞初制覇。皐月賞(G1)をスキップして臨んだ京都新聞杯(G2)も連勝。1番人気に支持された日本ダービー(G1)では豪快な追い込みでエピファネイアを半馬身差退け3歳馬の頂点に立った。

   秋にはフランスに遠征すると、英ダービー馬のルーラーオブザワールドを僅差退けてニエル賞(G2)に優勝。凱旋門賞(G1)でも4着に健闘した。昨年は大阪杯(G2)に勝利。今秋は天皇賞(秋)(G1)からの始動を予定していたが、右前繋部浅屈腱炎を発症したため現役引退と種牡馬入りが決まった。

   愛馬の到着を見届けた福田洋志ゼネラルマネージャーは「大山ヒルズから北海道に無事到着して安心しました。種牡馬として第2のスタートを、ここ社台スタリオンステーションで切れることをうれしくおもいます。生まれたときから雰囲気のある馬で私たちの期待も大きかった馬でした。印象に残っているレースは、やはり東京優駿、日本ダービーです。最後の直線、残り100m、エピファネイアを交わすまでの一完歩一完歩をいまでも鮮明に覚えています。キズナはホースマンの夢、われわれノースヒルズの夢だったダービー制覇を叶えてくれ、これからも種牡馬としてわれわれの夢を叶えてくれそうなとても大切な存在です。これからも応援よろしくお願いします。はやく子供に会いたいですね」とコメント。

   社台スタリオンステーション事務局の三輪圭祐氏は「到着時の馬体重は497kgでした。なにげない仕草はディープインパクトぽいところがあるなと感じました。馬格はディープインパクトよりあるので、よりパワフルさがありますね。さすがダービー馬ですね。いまの種牡馬界はディープインパクトが健在で、同じサンデーサイレンス系にはハーツクライやオルフェーヴル、ジャスタウェイなどがおり、同じ路線を得意とするハービンジャーや同期のエピファネイアもおり、混戦を抜け出すのは大変だとおもいますが、キズナには父子三代ダービー制覇を、そして、海外で活躍する産駒を送り出してほしいですね」と期待を寄せていた。