BTC育成技術講習会が行われる
9月30日夜、浦河町西舎の軽種馬育成調教センター日高事業所軽種馬診療所2階において、育成技術講習会が行われた。
この育成技術講習会はBTCの主催でJRA日高育成牧場が協力。育成調教技術の改善・普及を図るため、年2回ほど開催している。
今回の講習会はJRA日高育成牧場業務課の工藤将孝氏を講師に迎えて、「馬と良好な関係の構築~引き馬による馬との対話~」がテーマ。講師の工藤氏は平成9年にJRAに入会し、日高育成牧場で勤務。平成12年に馬事公苑へ異動し、馬に馬具を装着しないでコミュニケーションをとりながら演技を行うフリーダムホースショーを中心に活躍してきた。その間、ホースショーの本場であるヨーロッパ各国で研修して技術を磨き、帰国後は日本のフリーダムホースショーの第一人者としての地位を確立している。平成25年に再び日高育成牧場に赴任。現在は業務課に所属し、JRA育成馬のトレーニングに従事する傍ら、日々、フリーダムホースショーの技術研鑽に励んでいる。昨年からは日高育成牧場見学バスツアーやうらかわ馬フェスタといったイベントで、ポニーのテリーとコンビを組んで華麗な演技を披露している。
講習会にはホースショーの第一人者の話を聴こうと、用意した席が足りなくなるほど多く牧場関係者が出席。開催にあたり主催者を代表してBTC日高事業所の高松勝憲所長は「本日は1歳馬の馴致が始まっているなか、また、オータムセールを間近に控えてお忙しいところ、そして、aiba浦河ビヤパーティーが行われているにもかかわらず、たくさんの方に集まっていただき感謝申し上げます。BTCでは皆様の仕事にすぐに役立つような実践的な講習を行ってきましたが、今回は内容に幅を持たせるためホースマンとしての教養も大事ではないかという話が持ち上がったときに、最初に工藤さんのことが頭に浮かびました。工藤さんからは教養的なこと実践的なことまで幅広い話題を用意していただいています。皆様にとって良い講習会になることを祈っています」と挨拶した。
工藤氏は馬術先進国の馬スペクタクル、馬の本能・心理について、馬のリーダーになるノウハウ、引き馬の重要性とその働きかけについて、動画やスライドを交え、余すところなく説明。馬と良好な関係を築くためには、人が馬のリーダーになり、馬の本能・心理を理解し、動きの制御によって馬の心と身体をコントロールすることが大事と説き、人が馬のリーダーになるには、引き馬、横の動きの制御、前後の動きの制御の3つが大事とした。