フローラルカップはタイニーダンサーが大差勝ち
9月22日、門別競馬場では2歳牝馬重賞、UHB杯第15回フローラルカップ(H3)【エンパイアメーカー賞】がダート内回り1600mで行われた。
シルバーウィーク中の開催、好天にも恵まれ開門からたくさんの来場者であふれた。牝馬重賞にちなみ「レディースDAY」としてフラワーアレンジメント講習会、アフタヌーンティー教室など女性にスポットを当てたイベントも盛況だった。
2歳牝馬重賞第3弾にエントリーしたのは12頭。断然の1番人気は栄冠賞(H2)勝ち馬のタイニーダンサーで1.2倍、2番人気のサムバディトゥラブの単勝オッズは14.3倍と大きく差が開いていた。スマートボーイ産駒のサムバディトゥラブは5月のデビューから7戦2勝、今回重賞初挑戦の上がり馬だ。17.3倍の3番人気はマーベラスサンデー産駒のモリデンサンバ。1勝馬ながら前走リリーカップ(H3)で7着の成績を残している。
レースは夕闇迫る16時15分、来場者で賑わうスタンド前からのスタート。11番人気のリコールクレール、5番人気のジャストゥラヴが好スタートから前を伺うなか、内から2番人気のサムバディトゥラブがハナに立って後続を引っ張る隊列となった。人気のタイニーダンサーは前3頭を見るかたちで4番手に身を潜めた。レースが動いたのは3コーナー、タイニーダンサーが抜群の手応えで先頭に立ち、持ったままで後続を引き離しにかかる。直線に入るとさらに加速、夕陽を背に1頭だけ別次元の脚で駆け抜けた。勝ち時計は1:43.7(良)2着のサダムフジコとのタイム差は2.5秒、着差は「大差」と表示され、まさに圧勝劇だった。クビ差の3着にモリデンサンバ、そこから2馬身差の4着にジャストゥラヴという結果だった。
タイニーダンサーを操った桑村真明騎手は、先週イノセントカップ(H3)でリンダリンダに騎乗しており、2週連続重賞勝利。日本一早い2歳重賞勝馬になったタイニーダンサーの鞍上をデビューからずっと務めてきた。レースについてコメントを求めると、開口一番「強かったですね」と笑顔。「前走(リリーカップ)は道中折り合いを欠いて3着に負けてしまったので、今日は馬の気持ちに任せ、気持ち良く走らせることに集中しました。ペースも良かったし、展開が向きましたね。抜け出して1頭になったあと物見したり、まだ幼いところはありますが、これだけ突き抜けるんですから、やっぱり強いです」と桑村騎手も驚くほどの末脚だったようだ。
管理する角川秀樹調教師は、今季の2歳重賞6戦中、タイニーダンサー、モダンウーマン、リンダリンダの3頭で5勝を記録した。活躍馬がひしめく角川厩舎の中でも「この馬がナンバーワンだと思う」と豪語する角川調教師。今回のレース振りについても「エーデルワイス賞(Jpn3)への直行プランもありましたが、涼しくなって体重が絞りにくくなったためここを使うことにしました。コーナーを4回周るレースは初めてで、折り合い面で心配はあったけど、スムーズに運べたのは収穫でしたね。エーデルワイス賞(Jpn3)(ダ1200)はもちろん、その次に控えている北海道2歳優駿(Jpn3)(ダ1800)のことも考えると、この走りを見れて良かったなと思います」と大一番に向け自信を覗かせた。