イノセントカップはリンダリンダが重賞初勝利
9月17日、門別競馬場では2歳馬による短距離重賞、競馬ブック杯第15回イノセントカップ(H3)【キングズベスト賞】が距離ダート1200mで行われた。
牡馬7頭、牝馬2頭の計9頭によって争われ、1番人気に推されたのは牝馬のリンダリンダ。この夏は函館2歳S(G3)やクローバー賞(OP)にも挑戦した実力派だ。2番人気はサウスヴィグラス産駒のナイスヴィグラス。前走スマートファルコン賞を怒涛の追い込みで制し、新勢力に名乗りを上げた。少し離れた3番人気はリンダリンダと共にクローバー賞(OP)に出走したマンハッタンカフェ産駒のエイシンキロオルがつづいた。
レースは、向こう正面ポケット地点からスタート。最内枠のフィランソロフィー、ビービーアーガスが立ち後れる中、ダッシュよく7番人気のシーズアウーマンが先手を奪い、4番人気のネスターがその直後に付ける。人気のリンダリンダは3番手、外目から6番人気のシュネルバレイという体勢で3コーナーを回る。3~4コーナー中間地点で早くもネスターが仕掛け、先頭へ踊り出ると、直後にいたシュネルバレイもつづき、直線へ。外目を回ってきたリンダリンダが先に抜け出した馬たちに襲いかかり、粘るネスターに2馬身差をつけ重賞初勝利を飾った。勝ち時計は1:14:9(良)2着には4番人気のネスター、さらに2 1/2馬身差の3着に直線猛然と追い込んできたナイスヴィグラスが入った。
騎乗したのは、栄冠賞(H2)につづき今季重賞2勝目となった桑村真明騎手。「自厩舎のシーズアウーマンはゲート出が早く、ハナを取るだろうと思ってましたから、シーズアウーマンを見ながら落ち着いてレースができました。道中も周りに馬がいなかったし、ストレスがかからない状態で直線まで行けたのが勝因だったのかもしれません。中央で2戦して、揉まれる競馬を経験してきた結果、今日は砂をかけられても怯むことなく最後は突き抜けてくれました」と話し、結果は残せなかったものの、遠征によって成長を遂げたようだ。
また、管理する角川秀樹調教師は「中央の芝レースを2回使って結果が出せず、負け癖がついてなければいいなと心配はありましたが、地元のダートに戻ればこのようなレースが出来、それがわかったことが勝った以上の収穫でしたね。距離はもっと長くても対応できるでしょうし、今後はエーデルワイス賞(Jpn3)はもちろん川崎のローレル賞なども視野に入ってきますね」と声を弾ませた。
リンダリンダは父フレンチデピュティ、母クリムゾンルージュ、母の父エンドスウィープという血統の2歳牝馬。登別のユートピア牧場の生産馬で、母クリムゾンルージュは南関東で3勝、マリーンC(Jpn3) 2着という実績を持つ。同じくホッカイドウ競馬角川秀樹厩舎所属の全姉ルージュロワイヤルはヒダカソウC(H3)を制しており、今後の活躍が期待される姉妹だ。