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旭岳賞はアウヤンテプイが逃げ切り勝ち

  • 2015年09月24日
  • スタート直後からハナを切るアウヤンテプイ
    スタート直後からハナを切るアウヤンテプイ
  • 最後の直線はグランプリブラッドとの一騎打ちに
    最後の直線はグランプリブラッドとの一騎打ちに
  • ハナ差凌ぎきり重賞制覇
    ハナ差凌ぎきり重賞制覇
  • 笑顔が眩しい口取り写真
    笑顔が眩しい口取り写真
  • 表彰式での関係者の皆さん
    表彰式での関係者の皆さん

   今年から新設された古馬のマイル重賞、ホクレン杯第1回旭岳賞(H3)【バゴ賞】が9月15日、内回りダート1600mで行われた。

   3歳から7歳までのスピード自慢7頭がエントリー。1.9倍の1番人気に推されたのは重賞5勝の6歳牡馬アウヤンテプイ。近年はスプリント路線での活躍が目立つが、これまで勝利した重賞は1200m~1900mと射程距離も長く、前々走Aiba苫小牧祭特別・A1競走でダ1600mのレコードタイムで駆け抜けており、納得の1番人気だ。2.9倍の2番人気はこちらも6歳牡馬のグランプリブラッド。星雲賞(H3)で初重賞勝ちを果たし、王者アウヤンテプイに初めて挑む。2頭から少し離された5.5倍の3番人気は5歳牡馬のキタノイットウセイ。赤レンガ記念(H3)では勝ったウルトラカイザーにクビ差の2着など、届きそうで届かない重賞制覇の壁を突き破ることはできるか。そして、紅一点の3歳牝馬ルージュロワイヤルが6.6倍の4番人気でつづいた。

   レースはスタンド前からスタート。アウヤンテプイが楽に先手を奪うと、押してグランプリブラッドが2番手に詰め寄る。1コーナーを回って早くもこの2頭の一騎打ちムードとなり、後続は2~3馬身後方で出方を見守っていた。勝負所の4コーナー手前でグランプリブラッドにムチが飛ぶが、アウヤンテプイは持ったまま。コーナーワークを利用してキタノイットウセイ、ルージュロワイヤルも前を伺う。直線に入り、ジワジワと追い詰めるグランプリブラッドだったが、ハナ差届かずアウヤンテプイが逃げ切り勝ちを収めた。勝ち時計は1:41.3(良)。2頭から2馬身離された3着にキタノイットウセイが入り、人気通りの決着となった。

   アウヤンテプイと初コンビを組んだ石川倭騎手は北海優駿(H3)を制するなど若手の成長株。アウヤンテプイの騎乗依頼を受け「重賞を勝てるチャンスだと思い、レースが楽しみでした」と意欲を燃やしていた。「レースは指示通り先手を取り、あとは馬が自分でレースを作った感じです。外からグランプリブラッドに競られはしましたが、最後まで踏ん張ってくれましたね。ゴールに飛び込んだ時はどっちが勝ったか自分ではわかりませんでした」と爽やかな笑顔を見せた。

   前走JRA札幌競馬場で開催されたエルムS(G3)に挑戦していた本馬、多少疲れが残っていたと話す原孝明調教師は「この馬は不思議な馬で、調子が良さそうに見える時はあんまり良い成績が残せず、いまひとつだなと感じる時勝ったりする。今回も状態はそんな良くは見えなかったけど、上手く乗ってくれたね」と喜びを語った。

   アウヤンテプイは新冠町の若林牧場のオーナーブリーディングホースで、父ムーンバラッド、母バトルグレイシー、母の父ミシルという血統の6歳牡馬。これで重賞6勝目となり、これからもホッカイドウ競馬を牽引していく存在だ。