平成27年度第1回リム&フットケア・ワークショップが行われる
9月3日夜、新ひだか町静内の日本軽種馬協会静内種馬場研修所講義室において、平成27年度第1回リム&フットケア・ワークショップが行われた。
ワークショップは装蹄師や獣医師が日常の仕事のなかで遭遇したアシや蹄に関する症例を持ち寄り、それぞれの経験や意見をぶつけて話し合い、症例に対する対応策を統括するためのもの。日本軽種馬協会の軽種馬経営高度化指導研修事業の一環として平成22年度から年2回実施しており、今回で通算10回目となった。
節目の10回目となるワークショップには、北海道日高装蹄師会に所属する装蹄師、JRA日高育成牧場の山野辺啓場長をはじめとした獣医師や装蹄師、日高軽種馬農業協同組合、軽種馬育成調教センター、日高地区農業共済組合に所属する獣医師、獣医師を目指す獣医学部の学生など50名が出席。主催者を代表して挨拶に立ったJBBA静内種馬場の中西信吾場長は「日本軽種馬協会では新たな視点からの肢蹄管理について、装蹄師、獣医師それぞれの立場から意見交換して共通理念を養い、相互連携を強化するとともに、さらに高度な護蹄技術や予防・矯正技術を探ることを目的に、第1回リム&フットケア・ワークショップを平成23年1月27日に開催し、今回、節目となる第10回目のワークショップを迎えることができました。
これまでの10回のワークショップでは、装蹄師が28題、獣医師が18題の合計46題の症例が報告され、延べ約370名の装蹄師、獣医師が参加し、回を重ねるたびに装蹄師と獣医師の両者の間で、垣根のない活発な質疑応答が繰り返されるようになりました。今後は参加者が興味を引くようなワークショップを企画立案して、装蹄師、獣医師らの連携強化を図っていきたいと考えています。これまでこの研修を全面的に支援していただいている北海道日高装蹄師会、JRAら関係団体の関係者の方々に感謝申し上げます」と礼を述べた。
この日は北海道日高装蹄師会の武田英二会長を座長に、蹄葉炎などをテーマに5名の講師が症例を報告。それぞれの症例報告後には、出席者から質問や疑問、意見、要望などが相次ぎ、症例を共通認識した。
症例報告は下記の通り。
「蹄葉炎~JRAでの対応~」講師:諫山太朗氏(JRA日高育成牧場)
「蹄葉炎のデ・ローテーション処置」講師:設楽巧喜氏(北海道日高装蹄師会)
「Club Foot 羅患馬に発症した繁殖牝馬の蹄葉炎」講師:田中弘祐氏(JBBA軽種馬生産技術総合研修センター)
「各種装蹄療法」講師:門別尚省氏(北海道日高装蹄師会)
「突球の2症例」講師:宮越大輔氏(日高軽種馬農業協同組合)