フルールカップはモダンウーマンが人気に応え初重賞制覇
毎年一番の盛り上がりを見せるお盆期間の開催8月13日はふたつの牝馬重賞が組まれ、たくさんの競馬ファンで賑わった。
今年で2回目を迎えるソメスサドル杯フルールカップ(H3)は2歳牝馬によるスプリント戦。ダ1000mを舞台に6頭の快速牝馬がエントリーした。
1番人気は栄冠賞(H2)2着のモダンウーマン。ここまで混合戦で1着→2着→2着と安定したレース振り、牝馬限定戦なら負けられないと人気を集めた。2番人気は7月22日のフレッシュチャレンジ競走を勝ったばかりのネオユニヴァース産駒、シーズアウーマン。キャリア1戦ながら6馬身差をつけて圧勝したデビュー戦が評価された。3番人気は5戦2勝、ブリーダーズゴールドジュニアカップにも出走したミスミランダーが推された。
レースは、揃ったスタートからシーズアウーマンが引っ張り、リードクィーン、ミスミランダーが追いかけ、直後にモダンウーマンという隊列に。4コーナーでは逃げるシーズアウーマンにミスミランダー、モダンウーマンが並びかけ、人気馬3頭の叩き合いかと思われたが、外を回ったモダンウーマンがあっと言う間に他馬を置き去りにし、4馬身差でゴール。勝ち時計は1:01:6(良)2着には最後まで食い下がったミスミランダー、ハナ差の3着には最低人気のエムティーシャトルが入り、やや波乱の結果となった。
鞍上の阿部龍騎手は先週行われたブリーダーズゴールドジュニアカップ(H1)につづき、2週連続重賞勝ち。これまで常にハナを主張していたモダンウーマンが見せた好位差しの競馬については「少頭数のレースですし、今日は無理に先頭に行かず、出たなりに競馬をしようと思っていました。3~4番手で道中折り合いもついていたし、反応は良かったですね。直線に入ってからはスピードの違いで勝ったようなもの。自分は馬の力を信じて跨っていただけで何もしていません」と爽やかな笑顔を見せた。
管理する角川秀樹調教師は「逃げ一辺倒ではなく、こんな競馬もできるということがわかって収穫でした。これまで惜しい2着が続いていたので、ここで鬱憤を晴らせて嬉しいですね。この馬に関しては遠征などは考えていません、地元2歳重賞路線を進んでいく予定です」と今後のプランを語った。
モダンウーマンは新ひだか町静内にあるグランド牧場のオーナーブリーディングホース。父サウスヴィグラス、母スマートダズル、母の父スマートボーイという牧場ゆかりの血統を凝縮した系譜を持つ。グランド牧場の伊藤佳幸代表は「栄冠賞はタイニーダンサーに敗れはしたものの、期待していた馬なので重賞を勝てて嬉しいです。レースに幅も出てどんどん強くなっているから今後が楽しみです」と喜びを語った。