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王冠賞はオヤコダカが優勝して二冠達成

  • 2015年08月03日
  • 後続を突き放すオヤコダカ
    後続を突き放すオヤコダカ
  • 影をも踏ませぬ逃走劇で二冠馬に輝いた
    影をも踏ませぬ逃走劇で二冠馬に輝いた
  • ヴィクトリーロードをしっかり踏みしめる
    ヴィクトリーロードをしっかり踏みしめる
  • 駆けつけたたくさんの応援団に祝福された
    駆けつけたたくさんの応援団に祝福された
  • 表彰式の記念撮影
    表彰式の記念撮影

 7月30日、門別競馬場では一足早く牡馬クラシックの最終戦、第36回王冠賞(H2)【ヨハネスブルグ賞】が行われた。昨年までダ2600mで施行されていた同レース、今年から1800mに短縮され、各馬スタートからの位置取りが重要視されそうだ。

 クラシック最後の一冠を賭けて争うのは、10頭の3歳馬。1.3倍の1番人気は北海優駿時の雪辱を誓うオヤコダカ。太りやすい体質で、前走の星雲賞は550キロ(+10)での出走だったが、今回の馬体重は540キロ(-10)ときっちり仕上あがり、ここでもダントツの人気を誇った。3.8倍の2番人気にはJRAでデビューしたものの2戦でホッカイドウ競馬へ移籍、以後5戦4勝の戦績を持つアルランピード。少し離れた3番人気(10.4倍)は牝馬ながら北斗盃3着、北海優駿2着の実績馬タイムビヨンドが推され、北海優駿勝ち馬でジャパンダートダービー(Jpn1)にも出走したフジノサムライは4番人気(14.9倍)となった。

 スタートから1枠1番のオヤコダカが先頭に立つと競りかける馬はなく、2番手にアルランピードがピッタリマーク。楽に逃してなるものかと外目を通ってフジノサムライ、ミオネイチャーらもオヤコダカを見ながらレースを進める。3コーナーでフジノサムライがムチを入れて2番手に上がり、アルランピードが後退、変わって後方で待機していたタイムビヨンドが進出を開始したが、楽に逃げていたオヤコダカとの差は縮まらず、1:58.2(良)のタイムで二冠を達成した。3馬身差の2着に追い上げてきたタイムビヨンドが入り、さらに3馬身差の3着にフジノサムライ、4着以下には9馬身の差を付けていた。

 この日通算1300勝(王冠賞で1302勝目)をあげた原孝明調教師、そして騎乗した川原正一騎手はこの勝利で地方重賞100勝目という記念すべき勝利となった。

 レース後、原調教師は「前走後少し疲れてる感じもありましたが、それはどの馬も同じだし、いつも通りのレースができれば大丈夫と自信を持って送り出しました。20年間の調教師生活の中で、二冠を取れるような馬に出会えた、本当に幸せなことだと思います。まだ心身ともに子供っぽいところがありますし、少し休ませて成長を促したいですね」と話し、川原騎手は「勝って当然の馬で勝てたことが素直に嬉しいしホッとしています。馬の気持ちを損ねないように気をつけて乗りましたが、ペースが早かったので最後は苦しがっていました。それでも頑張ってくれたのだから力のある馬です」と賞賛した。

 オヤコダカは新冠町の森永聡さんの生産馬で、父サムライハート、母オメガカリビアン、母の父フレンチデピュティ、近親に昨年のオークス馬ヌーヴォレコルトがいる血統。前走は古馬重賞の星雲賞(H3)に挑戦し、好位追走から4コーナーで抜け出したが古馬の壁に阻まれ4着に敗れていた。

 表彰台に立った森永聡さんは「北海優駿で競走中止、星雲賞でも逃げることができず巻き返しを願っていましたが、今日、スッキリと勝つことができてホッとしています。この先は古馬と戦うことになりますが、まだまだ伸びしろを残していますし、成長が楽しみです」と期待を語った。