馬産地ニュース

第7回ジョッキーベイビーズ北海道地区予選・代表決定戦が行われる

  • 2015年07月31日
  • ジョッキーベイビーズ北海道地区代表決定戦は大池崚馬さんが優勝
    ジョッキーベイビーズ北海道地区代表決定戦は大池崚馬さんが優勝
  • 北海道代表の座を勝ち取った大池崚馬さんの口取り
    北海道代表の座を勝ち取った大池崚馬さんの口取り
  • 代表決定戦前の輪乗り
    代表決定戦前の輪乗り
  • 予選第1組は高橋駈さんが優勝
    予選第1組は高橋駈さんが優勝
  • 予選第2組は大池崚馬さんが優勝
    予選第2組は大池崚馬さんが優勝

 10月11日に東京競馬場で行われる全国ポニー競馬選手権「第7回ジョッキーベイビーズ」に向けて7月26日、浦河町のお祭り「第49回浦河競馬祭」で北海道地区代表を決めるポニーレースが行われた。

 今年の出場者は浦河ポニー乗馬スポーツ少年団から大池駿和さん、大池崚馬さん、高橋駈さん、中神彩織さん、藤原結さん、宮内勇樹さん、クラックステーブルから泉林太郎さん、永田紘都さん、松田瑞紀さん、村上駿斗さん、白井牧場不二ファームから川島洋哉さん、坂東勇生さんの12名で、たった1つの代表枠を争った。ポニーレース初参加の出場者もいれば、決勝大会出場経験のある大池駿和さん(2013年出場)、宮内勇樹さん(2014年出場)も2度目の出場を目指してエントリー。予選と代表決定戦を行い、着順に応じての合計ポイント1位の出場者が東京行きの切符を手にする。

 舞台は日高育成総合施設育成調教場のダートコース。今にも雨が降り出しそうな曇り空のもと、予選第1組(200m)はスタートした。レースは大池駿和さんとモモコが序盤から積極策をとるところ、外をついて高橋駈さんとアパネネが力強く並びかけ、ゴール前の叩き合いを高橋さんが制した。勝ち時計は15秒43。

 予選第2組(200m)は上位3名が馬場の内・中・外にバラけての追い合い。やや出負けした中神彩織さんとハクは内ラチから挽回し、大池崚馬さんとメルモが馬場の外から、馬場の真ん中を川島洋哉さんとウーブが伸びた。レース途中まで接戦模様だったが、最後は大池さんが突き放し、1着でゴールを切った。勝ち時計は15秒72。

 予選から2時間後、予選2組の上位4名=計8名による北海道地区代表決定戦(ダ350m)が行われた。レース前の周回場には指導者や出場選手の家族、浦河競馬祭の観客、報道陣が囲み、緊張した空気が流れた。輪乗りをしている選手に目を移すと、まさに本物の騎手のような顔つきをのぞかせていた。

 レースは予選と同じように中神彩織さんが内ラチ沿いで先行し、予選1位で通過した高橋駈さん、大池崚馬さんも前々の位置取り。その背後に大池駿和さんがつけて追走し、他の選手はやや離れ、優勝争いは先行集団にいる4名に絞られた。最後は大池崚馬さんが抜け出し、真っ先にゴールを駆け抜けた。勝ち時計は26秒77。大池さんはこれで予選から2連勝となり、合計ポイント1位で北海道地区代表になった。

 大池崚馬さんは浦河町の小学校に通う4年生で、姉・悠梨香さん(2011年)、澪奈さん(2012年)、兄・駿和さん(2013年)に続いての決勝大会進出。レース後は馬場で口取りとなり、決勝大会への招待状が渡された。その後の共同インタビューでは、「優勝できて嬉しいです。レースに向けて、毎日のように練習してきました。代表決定戦の前は、ハク(中神さん)が強いかなと考えていました。レースでは緊張しましたが、メルモが言うことを聞いてくれました。スタートは斜めに出て、あまり良くはなかったのですが、最後までしっかり追えました。決勝大会に向けては姿勢をもっと直し、優勝を目指したいです。将来の夢は騎手になることです。」と話した。大池さんは周囲から「まだ4年生ながら上手い」、「おめでとう」といった声をかけられ、照れ笑いを浮かべていた。

 今回、予選落ちや決勝大会出場とならなかった出場者は、悔しさをにじませていたが、独特の緊張感のあるレース経験は糧になるだろう。代表決定戦で5着に敗れた川島洋哉さんは、「ジョッキーベイビーズのレースに出るのは初めてだったので、予選から緊張しました。代表決定戦はスタートで出遅れてしまい、慌ててしまいました。ついていくのに精いっぱいで、あっという間に終わってしまった感じです。もっと馬をコントロールできるようになりたいと思います。来年、また代表決定戦に出られるように頑張りたい」と、感想を話していた。

 ジョッキーベイビーズは今年で7回目を迎え、着実に浸透してきた印象。今回の予選では出場者の技術差はあったものの、やる気の高さは皆、並々ならぬものを感じた。後方で敗れ去った出場者も、最後まであきらめずに追っていた。馬産地は人材不足が深刻でもあり、未来のホースマンとなるキッカケとしても、ジョッキーベイビーズは長く続いて欲しい。

 一方で、以前は、門別競馬場でポニーレースのイベントがあったが、近年は実施がなく、最近の子供たちはレース出場機会に恵まれていない。子供たちや指導者からは「練習では得られない、レースの経験も大事」と話し、門別競馬場などでのレースイベントを望む声が多かった。