馬産地ニュース

JRA日高育成牧場開設50周年記念式典・祝賀会開催

  • 2015年07月29日
  • 盛大に開催されたJRA日高育成牧場開設50周年式典・祝賀会
    盛大に開催されたJRA日高育成牧場開設50周年式典・祝賀会
  • JRAを代表して式辞を述べる後藤正幸理事長
    JRAを代表して式辞を述べる後藤正幸理事長
  • 決意を新たに挨拶する山野辺啓場長
    決意を新たに挨拶する山野辺啓場長
  • 式典・祝賀会には約90名が駆けつけた
    式典・祝賀会には約90名が駆けつけた
  • 記念樹を前に記念写真に納まる式典・祝賀会に出席した歴代の場長
    記念樹を前に記念写真に納まる式典・祝賀会に出席した歴代の場長

 7月27日、浦河町西舎にあるJRA日本中央競馬会の日高育成牧場開設50周年記念式典・祝賀会が、うらかわ優駿ビレッジAERU大ホールで開催された。

 式典・祝賀会にはJRAの後藤正幸理事長、山野辺啓日高育成牧場場長や歴代の場長、職員、職員OB、堀井学衆議院議員、農林水産省の葛谷好弘競馬監督課長補佐、日高振興局の辺見広幸局長、浦河町の池田拓町長、日本馬主協会連合会の森保彦会長、札幌馬主協会の下河辺俊行会長、函館馬主協会の庄野昭彦会長、日高軽種馬農業協同組合の木村貢代表理事組合長、胆振軽種馬農業協同組合の高橋秀昌代表理事組合長、日本軽種馬協会静内種馬場の中西信吾場長、日高各軽種馬生産振興会の会長など約90人が出席。記念すべき節目の年を祝った。

 式典ではJRAを代表して後藤正幸理事長が「開設から50年、日高育成牧場が取り組んできた生産から育成までの一貫した生産育成技術の研究の成果や知見は、生産地の皆様に還元することで、現在の日本競馬や日本馬のレベルアップに少なからず貢献してきたと自負しております。日高育成牧場が半世紀にわたり、このような活動を続けてこられたのも、地域の皆様をはじめとする関係者のご理解とご協力のおかげと改めて感謝申し上げます。日高育成牧場はこの開設50周年の節目を新たな出発点とし、生産地の皆様とともにさらなる強い馬づくりを目指し、いままで以上に調査、研究、普及活動に努力していきます」と式辞。続いて、堀井学衆議院議員、葛谷好弘競馬監督課長補佐、辺見広幸局長、池田拓町長から来賓祝辞が送られた。

 祝賀会に移ると、後藤正幸理事長や山野辺啓場長、森保彦会長、下河辺俊行会長、庄野昭彦会長、高橋秀昌代表理事組合長など代表者による鏡開きが行われ、木村貢代表理事組合長が乾杯の音頭をとって祝宴がスタート。和やかな雰囲気のなか、出席者は旧交を温めた。また、会場ではスライドを使用して開設から現在までの日高育成牧場の歴史、取り組みなどを紹介した。

 最後に山野辺啓場長が「日本の主要な馬産地日高にあるJRA事業所として50年の節目の年を迎えることができたのは、生産育成者をはじめとする大勢の皆様のご支援の賜物と、この場を借りて深く感謝申し上げます。日高育成牧場は開設当初からJRA職員自らの手で生産育成を行い、JRA育成馬を用いての調査、研究、技術開発を行い、広く生産地の皆様に知っていただく活動を続けてきました。今後も日高育成牧場の使命は変わらないと考えております。生産育成の強い馬づくり、競馬サークルの発展、地域の発展に役立っていくことこそが日高育成牧場の使命と考えておりますので、今後とも温かいご支援、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」と決意を新たにすると、出席者から大きな拍手が送られた。

 この日は式典・祝賀会を前に、日高育成牧場開設50周年記念植樹式を牧場事務所前中庭にて開催。後藤正幸理事長、井出道雄JRA副理事長、山野辺啓場長が、牧場敷地内から事務所前に移植した樹齢100年以上、高さ約8m、幹周り約160cmのイチイの木に鍬入れしたあと、職員や日高育成牧場の歴代の場長らとともに記念撮影が行われた。

 日高育成牧場は1954年のJRA創立時に設置された宇都宮育成牧場日高支所が前身。当時はJRA職員は配属されず、日高種畜牧場に委託して抽選馬の育成が行われていた。その後、1957年に札幌競馬場日高分場となり、1961年に10名の職員が配属され、日高種畜牧場から厩舎や放牧地、800m馬場を借りて育成業務を始め、1965年に日高育成牧場として独立した。1970年には事務所、厩舎、覆馬場などの施設を建設し、年間60~70頭の育成体制を整備。年号が昭和から平成になると、1991年には日高種畜牧場の用地1440haの払い下げを受け、1993年に大規模調教施設として、日高育成総合施設軽種馬育成調教場が誕生した。1998年には生産育成研究室が設置。2003年に抽選馬からJRA育成馬に名称が改称されると、2005年に売却方法を抽選制度からせり方式に変更され、JRAブリーズアップセールが始まった。

 さらに2008年からはJRAホームブレッドの生産を始め、生産から育成まで一貫した調査研究・技術開発を実施。「ライトコントロール法による卵巣機能の賦活化」や「乳汁pH値による分娩予知」などの研究成果は、生産地において広く活用されている。

 初代の池本元一場長から現在の山野辺啓場長まで、これまでに15人の場長が歴任。日高育成牧場の育成馬では1978年のオークス馬ファイブホープ、1991年のオークス馬イソノルーブル、2008年の朝日杯フューチュリティステークス(Jpn1)を制覇したセイウンワンダーを筆頭に、多くの重賞勝ち馬が誕生している。