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赤レンガ記念はウルトラカイザーが接戦を制す

  • 2015年06月02日
  • 先に抜け出したキタノイットウセイを追いかける展開に
    先に抜け出したキタノイットウセイを追いかける展開に
  • クビ差で差し返しウルトラカイザーが重賞4勝目をあげた
    クビ差で差し返しウルトラカイザーが重賞4勝目をあげた
  • スタッフと握手を交わす井上騎手
    スタッフと握手を交わす井上騎手
  • 喜びの口取り写真
    喜びの口取り写真
  • 表彰を受ける関係者の皆さん
    表彰を受ける関係者の皆さん

 今年で52回を数える伝統の一戦、赤レンガ記念(H2) 【アドマイヤムーン賞】が5月28日、門別競馬場行われた。

   今年の出走メンバーは昨年の北海優駿(H1)優勝馬ヤマノミラクル(牡4歳)、昨年の王冠賞(H2)勝馬スタンドアウト(牡4歳)、2012年のNAR3歳最優秀牡馬アートサハラ(牡6歳)、中央重賞3勝馬シルクメビウス(牡9歳)、10歳の古豪ダイバクフと11頭の役者が顔を揃えた。

 1番人気に推されたのは、昨年の瑞穂賞(H2)から重賞3連勝中のウルトラカイザー。2番人気は今年のコスモバルク記念(H3)2着のディープインパクト産駒グランプリブラッド、離れた3番人気は昨年の道営記念(H1)2着馬キタノイットウセイが続き、4月に行われたコスモバルク記念(H3)の1~3着がそのまま人気になった。

   ダート2000mで争われたレースは、揃ったスタートからタイセイローマンがハナを奪い、スタンドアウトが差のない2番手を進む。人気のウルトラカイザーは好位4番手をキープしたまま、楽な手応えで4コーナーを回った。

 直線に入るとキタノイットウセイがいち早く抜け出し、外からグランプリブラッドも追い込みを図る。間に挟まれたウルトラカイザーはワンテンポ遅れて仕掛け、残り200mからは人気3頭の叩き合いに。軍配はウルトラカイザーに上がり、クビ差の2着にキタノイットウセイ、ハナ差3着にグランプリブラッドが入った。勝ちタイムは2分9秒5(良)。

 勝ったウルトラカイザーはこれで重賞4連勝、鞍上の井上俊彦騎手は、自身が保持しているホッカイドウ競馬最高齢重賞勝利記録を更新、新記録は50歳1か月14日となった。

 管理する林和弘厩舎は「前走からあまり間隔がなかったので軽めの調教で、レースを引っ張るような逃げ馬がいないことが一番不安な点でしたね。何しろ道中かかる癖のある馬で、目標となる馬がいないとやりにくいんです。1頭になると遊んでしまうので他馬を引き離して勝つタイプでもない。でも、並ばれたら絶対抜かさせない根性を発揮するから、今日のような展開はもってこいでしたね」と声を弾ませた。

 ホッカイドウ競馬最高齢重賞勝利記録を更新した井上騎手は「今日は折り合いも良かったし手応えも抜群でした。直線に入ってもちょっとフワフワしている感じでしたが、2頭に挟まれてスイッチが入りました。自分自身の記録?若者に負けないようにこれからも頑張ります」と決意表明。

 ウルトラカイザーは父レギュラーメンバー、母ローレルワルツ、母の父ダイナレターという血統で、半兄にアルゼンチン共和国杯(G2)、七夕賞(G3)を制したアスカクリチャンがいる。生産は新冠のつつみ牧場。応援に駆けつけ、表彰台に立った堤さんは、「パドックで見た感じは少し疲れてるのかな?という印象を受けましたが、ふたを開けてみれば強いレースをしてくれました。こんな凄い馬に成長してくれるとは生産者冥利に尽きますね。競馬場へ応援に来る楽しみが増えましたし、これからも怪我なく頑張ってほしいです」と喜びを語った。