BTCで北海道トレーニングセール上場馬のアナボリックステロイド検査が行われる
4月20、21日の2日間、浦河町西舎にある軽種馬育成調教センター(BTC)日高育成調教施設において、「2015年度北海道トレーニングセール サラブレッド2歳」上場馬のアナボリックステロイド検査が行われた。
北海道市場では昨年から上場馬の健全性確保と市場の公正運営のため、アナボリックステロイドの使用を禁止し、トレーニングセール上場予定馬全頭について同薬物の検査を実施。外因性によるアナボリックステロイドの存在が判明した場合は当該馬の上場を拒否しており、今回の検査で陽性となった上場予定馬は、5月26日にJRA札幌競馬場で開催される「2015年度北海道トレーニングセール サラブレッド2歳」に上場できなくなる。
検査会場はBTC日高育成調教施設と新冠町の日高軽種馬共同育成公社に2か所。調教ビデオ撮影に併せて行われた。
BTC日高育成調教施設では2日間で72頭の上場予定馬が検査を受検。上場予定馬は調教ビデオ撮影を終えた後、もしくは撮影前に南厩舎の検査会場に立ち寄り、日高軽種馬農業協同組合の獣医師がマイクロチップ検査で実馬を確認してから採血した。
採血された血液は2つの試験管にすばやく移され、日高軽種馬農業協同組合職員が封緘。その日のうちに検査機関である公益財団法人競走馬理化学研究所へ送られた。検査にかかる費用は北海道市場が負担し、2ヵ所の検査会場で調教ビデオ撮影をしなかった上場予定馬については、日高軽種馬農業協同組合の獣医師が往診して採血するという。
アナボリックステロイドとは筋肉増強作用や精神興奮作用を有する薬物。エチルエストレノール、キンボロン、クロステボル、スタノゾロール、ダナゾール、テストステロン、テトラヒドロゲストリノン、トレンボロン、ナンドロロン、ノルエタンドロロン、フラザボール、フルオキシメステロン、ボルジオン、ボルデノン、17α-メチルステロイド類やメテノロンなどが該当する。その作用が比較的長期間に及ぶこと、繁殖機能への副作用、競馬ファンからの信頼を著しく損ない、競馬の発展を妨げる一因になることが指摘されている。